マイクロゲーム攻略ガイド

kilowaroさんによる、読みやすい意訳&まとめバージョンはこちら

マイクロレート攻略ガイド


このガイドの目的は、オンラインのマイクロレートで勝つのに必要な技術と知識をみなさんに提供することです。マイクロレートと聞くと多くの人は肩をすくめて「バリューベットしてブラフしないこと。そうすりゃ稼げるよ!」という一言を繰り返すだけです。そのアドバイスは確かに正しいのですが、その言葉だけでは新人プレイヤーにとってそれほど有益なアドバイスだとは思えません。オンラインのマイクロレートで勝つのに必要なのは、単純なプロセスではありますが、その単純なプロセスを実際に自力でやり遂げられるかどうかということはまた別の問題です。私自身をも含む多くのプレイヤーにとって、それには大きな坂道を登り切るような努力が必要ですし、このガイドがそのための手助けになってほしいと願っています。もしあなたが2NL、5NL、10NL、あるいは25NLをオンラインでプレイしていて、勝てない、勝てても安定しない、このレートで通用しないと感じているなら、このガイドはあなたのためにあると言えます。(訳注:ここでいう2NLとは、バイインの上限が2ドルのノーリミットゲームのこと、つまりビッグブラインドが0.02ドルのゲームのことです。)このガイドは皆さんからのご意見や、その後読んだ記事などによって改訂の必要ができれば、随時そうするつもりでいます。

この記事は長い記事ではありますが、役に立つことが書いてあるはずです。もしあなたがすでに25NLかそれ以上のゲームで勝っているなら、この記事から目新しいことは得られないかもしれませんが、それでも読んでいただけると嬉しいです。では、この記事があなたにとって興味深いものであることを!

 

なぜ、我々は勝てるのか:それはフィッシュがいるからです

まず最初に、なぜマイクロリミットで勝つのはそんなにも易しいのかについて説明しましょう。何かを学ぶときに、それがどうして機能しているのかを知るのはとても大事なことす。ポーカーは、チェスやバックギャモンと同じように、技術を要するゲームです。ポーカーの短期的な目標はお金を勝ち取ることではあるのですが、ゲームというものはポーカーであれ、チェスであれ、バックギャモンであれ、「勝つ」ということのそのまた奥に、本当の目標というものがあるものなのです。その「目標」とは相手よりもミスを犯す回数を減らすということです。もしミスの数が相手より少なければ、勝ちは後から付いてくるはずです。ただし、ポーカーのように運が絡んでくるゲームでは、正しい選択をすれば毎回勝てるという訳にはいきません。でも確かにポーカーではまずいプレイをしても勝つことはありますが、それはあくまで短期的なものでしかありません。デビッド・スクランスキーはポーカーの基本原理というものを以下のように述べています:

「あなたが相手のカードがすべて見えていた場合にするであろうプレイと異なるプレイをするごとに相手が勝ち、同じプレイをするごとにあなたが勝つ。またその逆に相手があなたのカードすべてが見えていた場合にするであろうプレイと異なるプレイをするごとにあなたが勝ち、同じプレイをするごとに相手が勝つ。」

ポーカーとはつまるところ与えられた状況と(限られた)知識に基づいて正しい決定を下すゲームなのです。あなたが(マイクロリミットではない)もっと高度なレベルのゲームへと進むころには、ゴールは相手を欺くことやその他のムーブを仕掛けるといった、あなたが勝つためというより、相手のミスを誘うということへとシフトしていくことでしょう。いま上で述べた原理、そして勝つことと相手がミスを犯すことの違いに注目してください。この原理はマイクロリミットで勝つことはどうしてそんなに簡単なのかということの理由を与えてくれるのです。

ここではフィッシュと呼ぶことにする、マイクロリミットのプレイヤーたちは、何かの選択の機会が与えられるたびにほとんど毎回ミスを犯します。あなたが堅実で基本に忠実なポーカーをプレイしている限り、相手のほうから自滅してくれるのです。鮮やかなプレイをやってのける必要はありません。必要なのは(フロップでトリップスを引いたらベットするといったように)与えられた状況のもとで正しい決定を下すことだけで、それで相手は(ターンでアウツ(まくり目)が4枚しかないときに3/4ポットのベットにコールするといった)間違ったプレイをしてくれます。実のところ、フィッシュがあなたに対して持っている有利な点というのはただひとつだけで、それは予想がつかないということだけです。相手のプレイには論理も何もあったものではないので、そうしたプレイに呆気にとられることもしばしばあります。あなたも同じようにプレイしていては勝てるはずもありません。だからあなたにできるのは基本に忠実な堅実なプレイをして辛抱強く行い続けることだけです。最後に勝っているのは、相手ではなくあなたのはずです。

 

分厚いバリュー:ポーカーにおける聖なる杯(伝説の宝)

ポーカーのバリューベットについては多くが語られています。簡単に言うと、バリューベットとはより弱いハンドにコールしてもらって利益を得られるようなベットのことです。自分よりも強いハンドにもコールされることもあるでしょうが、コールする弱いハンドの割合が強いハンドよりも大きい限り、それはバリューベットだと言えます。

あなたがJJと持っていて、フロップがAJ♠4♠と落ち、あなたがベットしたとしたら、それはバリューベットだと言えます。それにコールするようなハンドといえばAx、AJ、A4、44とストレートドローやフラッシュドローでしょう。プレイヤーによってはKQ、KT、QTといったハンドでももう一枚カードをみたいと思うかもしれません。ところが、マイクロレートにおいてはフィッシュたちは、間違いなくドローがあったらコールしてきます。もちろん、相手がAAを持っている場合にもコールしてあなたを負かすことになるわけですが、それでもこのベットはバリューベットです。

上で挙げた例のようなものを私は「分厚いバリュー」と呼んでいます。ナッツに近いハンドを持っていて、多くのほぼ間違いなく勝てるハンドにコールしてもらえるような状況のことです。マイクロレートにおいては、ここであなたがすべきことは、全部のベットラウンドでベットして出来る限り多くを勝ち取ることです。もしフラッシュかストレートを完成させるカードが落ちて、相手がプレイし続けるようなら(どんな相手かにもよりますが)慎重になるべきではありますが、すぐに固まってしまう必要はありません。もしターンが6のようなブランク(勝敗に影響を与えなさそうなカード)だったら、少なくともポットの5080%はベットすべきです。ここではあなたは相手のハンドは何かとか、相手の手の範囲はどの程度だとかいうことに悩む必要はありません。そんなことは関係ないからです。相手はものすごく広い範囲の手でコールしてくるでしょうから、悩んでも無駄であって、ただベットし続ければいいのです。これが分厚いバリューというものです。これこそがあなたがマイクロレートで勝つための源となってくれるものです。分厚いバリューを見つけだすことで、相手にミスを犯す大きなチャンスを与えることになり、相手はその通りにミスを犯してくれることでしょう。

分厚いバリューのもう一つのいい例がAAです。もしあなたの相手であるフィッシュがローボードのどこかにヒットしていたら、全部のストリートでベットすれば、相手はドロー、ワンペアヒット、下のオーバーペアでコールしてくれることでしょう。もしあなたがAAを持っていて、フロップがJ63♠と落ち、相手が66♠を持っていたら、あなたにはどうすることもできません。持っているチップのすべてはポットに入るでしょうが、マイクロレートではAAの時にこういうフロップでオールインまでいくのは決して悪いプレイではないですし、実のところ標準的なプレイともいえるのです。その理由は、相手はどんな手だってコールするからということです。もし相手にフロップセットを引かれて負けたとしたら、それもポーカーってもんです。上にあげた例ではどちらの場合も、できるだけ早くお金をポットの中に入れさせるということがゴールになるのです。この分厚いバリューでのプレイは、マイクロレートでのあなたの稼ぎの90%を占めることになるはずです。

 

鮮やかなプレイ、薄いバリュー、微妙な状況:
なぜあなたはダニエル・ネグラニューじゃないのか

多くのプレイヤーはテレビのポーカー番組でブラフプレイを見過ぎて、通用もしないのにマイクロレートでやろうとしているようです。ターンでの3枚目のフラッシュカードが落ちたからといって、フラッシュができたフリをしてベットしてもそれはうまくいきません、というのも相手はあなたのベットが何を意味しているかなんて言うことはわかっていないからです。もしあなたが友達に「なんであいつあれをコールできるんだよ、降りるのが普通じゃないか!」とこぼした経験があるなら、私が何を言っているかはお分かりだと思います。この問題を解決するのは簡単です。こんなプレイは絶対にしないこと。こんなプレイをする理由はないのです。プロのプレイヤーがこういうプレイをするのは、相手もプロで、敵を欺くようなプレイを行う必要があるからです。マイクロリミットでこんなプレイをする必要はないのです。分厚いバリューがあるときのプレイで稼げるということもありますし、相手がなにも考えずにプレイしているのだから、鮮やかなプレイをやろうとしても気づいてくれるはずもありません。4枚フラッシュができているボードでサードペアで彼らはコールするでしょうし、その理由は「相手が持ってるとは思わなかった」からなのです。

  1. ブラフはしないこと
  2. スロープレイはしないこと
  3. トリッキーなプレイは狙わないこと
  4. 鮮やかなプレイは狙わないこと

 

薄いバリューを稼ぎにいくのは、ハイレベルのプレイではとても重要です。ハイステークスでのプロのプレイヤー達はマイクロレートとは違った世界でゲームをプレイしています。周りのプレイヤーはちゃんと考えてプレイしていますから、単にナッツが来たときにベット、ベット、オールインとプレイするだけでは通用しません。実のところ上のレベルでは、付け入られる隙のあるようなプレイをしていては全く通用しないとさえいえます。上のレベルのプレイヤーは自分の手の価値がわずかでもあると思えばそれを利用しようとしますし、そうしなければ勝てないのです。そういうゲームではナッツがくるのを待ってベットするというだけではだめです。ハイレベルのプレイヤーがフロート(コンティニュエーションベットがブラフだと思った時に、ターンかリバーでスティールすることを狙ってコールするプレイ)やスロープレイ、ブラフといったプレイをするのは、相手を欺くためです。こういうプレイは相手に自分のプレイを読まれないために行うのです。ハイレベルのプレイヤーがフロップでベットした時、何もないこともあれば、セットのことも、ボトムペアのこともある、つまりなんでもあり得るのです。こういうプレイをするのは、上級のプレイヤーを相手にして利益を上げるには、自分の手を相手に読まれてそこに付け入られるような隙を見せるわけにはいかないからです。

マイクロレートでのプレイでは、薄いバリューというものを追求する必要はないです。悩む必要もないでしょう。実のところ、(もしあなたがマイクロレートで勝てていないなら)薄いバリューを求めるプレイは避けるべきなのです。マイクロレートではその必要はありません。確かにプレイ出来たらそれに越したことはないですが、それ以上にまず基本的なプレイをきっちりと行い、分厚いバリューのある時に稼ぐことを心がけるべきです。

たいていの場合、薄いバリューというのはハンドの微妙な状況で発生します。薄いバリューがあるなと思える時というのは微妙な状況であり、初心者のうちはそれを追い求めるのを積極的に避けるべきです。繰り返しますが、そうする理由は、薄いバリューを追い求める必要がないからです。もう一つの理由として挙げられるのは、薄いバリューを追い求める前に、自らのフロップ後のプレイの技術を身につけておく必要があるからです。薄いバリューを手にするにはそれなりのフロップ後のプレイや、手の読みといった技術が必要になります。ところがフィッシュというものは全くもって予測がつかないプレイをするので、薄いバリューを狙うようなプレイはうまくいかないことが多いのです。あなたが薄いバリューを狙うようなプレイをする機会というのはレギュラープレイヤーとのヘッズアップになったときに出てくるはずで、フィッシュ相手の時ではないでしょう。フィッシュ相手の時にも確かに薄いバリューはでてくるものではあるのですが、それよりも分厚いバリューがある機会が多いはずです。うまい相手に対しては全くその逆になることでしょう。

微妙な状況というのは初心者にとって大きな罠となります。AJでアンダーザガンにいたら?降りてしまうことです。とてもドミネイトされやすいハンドで、トラブルに巻き込まれるだけです。ブラインドのポジションでK♠J♠で、ミドルポジションからのレイズにコールすべきかどうか考えていたら?やめておきなさい。降りたほうがいいです。QJ、KJ、KQ、KT、QTといったハンドはトラブルを招く手として知られています。そしてそれにはちゃんと理由があるのです。これらのハンドはちょっと目には強そうに見えますが、ドミネイトされやすいハンドで、レイズにコールするような手ではないです。もし自分がレイトポジションにいてKQで、自分までフォールドで回ってきたらもちろんレイズすべきです。その場合は微妙な状況とはいえないでしょう。でもレイズやリレイズをこのような手でコールするというのはいいプレイとはいえません。強い手だけをプレイして、分厚いバリューを狙うことに専念すべきです。

たとえばTJスペードをもってアーリーポジションからレイズし、フロップがJ66(訳注:原文のまま。おそらく6の2枚目のスーツは違うものにするはずだったのでしょう。)と落ち、あなたはコンティニュエーションベットを打って相手はレイズしてきたら、どうしますか?相手はブラフで打ち返しているのでしょうか?相手はタイトなレギュラーなのでしょうか、それともおいしいフィッシュなのでしょうか?相手は6を持っているのでしょうか?あるいはJの弱いキッカー、または強いキッカーを持っているのでしょうか?マイクロリミットで勝とうとしているプレイヤーにおってこんな問いかけは重要ではないのです。ただ降りればいいだけ。あなたはトップペアと弱めのキッカーという手でもって破産するつもりなのですか?相手が完全なマニアック(70/40)でもない限り、こんな状況には関わらないことです。(訳注:70/40とは、参加率70%、プリフロレイズ率40%の意。ポーカー関連の記事ではこうした記述法が一般的になりつつあります。)薄いバリューを求めるのではなく、次のチャンスを待つべきです。あなたがもっと経験を積み、相手のプレイに関する知識が深まってきたら、こういうフロップでプレイすることを考えてもいいかもしれません。でも今のステークスで勝てるようになるまでは、こういう状況は避けるべきです。QJ♠でアーリーポジションからレイズしないで我慢できている自分に気づいたら、よくやったよと自分で自分を褒めてあげていいと思います。

 

スロープレイ:やめましょう

スロープレイをマイクロレートで試みるのはなぜいけないのか、いくつかの例をお見せしたいと思います。マイクロレートでのスロープレイは決していいプレイにはなり得ないのです。やめておきなさい。なぜこれが最悪のプレイなのか、2つの例を見ていきましょう。

  1. ノート:スロープレイはすべきではないというルールにはひとつだけ例外があり、それはフロップでフルハウスかクワッズになったときです。これぐらい強いハンドなら、まあ普通は相手に捲られる可能性はないし、そういうモンスターハンドをヒットさせたフロップで相手に何かそれなりの手ができている可能性も低いからです。こうした状況では1ストリートはチェックで回して相手が(ペアとかドローとかの)何らかの手を引いてくれることを期待するしかありません。

 

例1

CO: $31.65
ヒーロー (SB): $51.15

プリフロップ: ($0.35) ヒーローはSBでT♠T
4人フォールド、 COは$1にレイズ、ヒーローは$0.90をコール

フロップ: ($2.25) 64T (参加プレイヤー2人)

フロップでセットを引いた!確かに喜ばしいことですが、どうもそのままではペイオフしてくれそうもないですね。そこであなたは相手を罠にかけてエキスパートがやるようなスロープレイをやることにしました。これで相手のスタックを全部とれるのは間違いなし!

ヒーローはチェック、COもチェック

う~む、相手はフロップでベットしてくれませんでした。でもまあそんなことは関係ありません。ターンで相手をやっつけることができるでしょう。

ターン: ($2.25) 5♠

ボードはちょっとばかり怖いものになってきました。でも案ずることはありません。あなたにはトップセットがあるのですから。ここであなたは相手がついてきてくれることを願いつつ少なめのベットをすることにしました。

ヒーローは$0.50をベット、 COは$0.50をコール

おっと、今度こそ相手を仕留められるでしょう!

リバー: ($3.25) 7

あなたはここが相手からバリューを引き出す最後のチャンスだと思い、少ない目のベットを入れてコールしてくれることを期待することにしました。

ヒーローは$1をベット、 COは$4.50までレイズ

えっなんですと!さてどうしたものでしょう?あなたにはトップセットができていてそれはそれでいいことです。でもボードには4枚ストレートと3枚フラッシュが並んでいます。相手はそのうちのどちらかを持っているのでしょうか?リバーが怖いカードであるのを利用して打ち返してきているのでしょうか?相手は、もしハートが2枚か、8あるいは3があるだけであなたに勝っているのです。相手のアクションからすると、それらのカードを持っている可能性は大いにあります。あなたのスロープレイは裏目にでて、相手にただのターンと安めのリバーを与えてしまった結果になったわけです。もし相手がドローを持っていたとしたら、ベットしないことで相手にとって完璧なプレイをしてしまったことになり、セットで手にしたはずのバリューはすべて失われてしまったのです。

「でもフロップで打っていたら、降りられちゃったでしょう!」あなたはそんな風にフロップで打つプレイがダメなプレイであるかのように反論してくるかもしれません。でももしあなたがトップセットのような強い手ができていてベットして相手がフォールドしたら、どの道大きく稼げる可能性などなかったのです。もし相手が上の例で22を持っていたら後のストリートでベットしたとしてもコールはしなかったでしょう。ターンで2が出る可能性はありますが、それはわずか4%ほどのものですから、期待できるほどではありません。この例ではあなたはポットの3/4程度をリード(訳注:自分から先に打っていくこと)して、$2.25を勝ち取れたはずですが、ドローを安く引かせたことで(あなたが降りたとして)$3.25を失うはめになってしまいました。

(訳注:「ヒーロー(Hero)」の呼称は海外のメジャーサイトでハンドを記述する場合に「このハンドでの主人公」の意味でつかわれています。日本人の感覚にはピンとこないかもしれませんが、海外のサイトを読んだりするうえで慣れておくのがいいかと思い、ここでもそのまま使っています。)

 

例2

CO: $25.60
ヒーロー (BB): $27.05

プリフロップ: ($0.35) ヒーローはBBでA♠A
4人フォールド、COは$1までレイズ、1人フォールド、ヒーローは$0.75をコール

自分がエースポケットの時に前でアクションが起きた!もちろん喜ばしい状況です。相手を怖がらせて逃がしてしまわないように、あなたはコールすることを選びました。

フロップ: ($2.10) AK♠8♠ (参加プレイヤー2人)

このボードにしてトップセット!「やったぜ!」あなたは心の中でつぶやきます。相手がAK、AQ、KQなどという手を持っている可能性は大いにあります。ここはひねりを入れたプレイをすることにして、チェックして相手にベットさせることにします。

ヒーローはチェック、COは$1をベット、ヒーローは$1をコール

ターン: ($4.10) T♠

どうやら相手はプレイできるような手を何か持っているようです。そこであなたはターンで少なめのベットを入れて相手をこのポットにつなぎとめるようなプレイをすることにしました。

ヒーローは$1.50をベット、COは$1.50をコール

素晴らしい!

リバー: ($7.10) 6

ヒーローは$2.50をベット、COは$2.50をコール

最終ポット: $12.10
ヒーローはA♠Aをオープン
COは88をマック

なんですと?相手もセットをヒットさせていたとは!一体全体何が起きていたというのでしょう?あなたはトップセットをスロープレイして、相手はボトムセットで付いていったというわけです。このハンドは大いなる悲劇です。もしあなたがこのハンドをアグレッシブにプレイしていたら、フロップかターンで相手のスタックを全部とれたことでしょう。こういうハンドでは相手はフロップかターンであなたのベットなりレイズなりに対してオールインまでいってしまうものです。そのかわりに相手がストレートかフラッシュを引かれたことを警戒してアクションが止まってしまい、リバーで相手はコールにとめることにしたのです。このスロープレイのおかげであなたが取り逃した額は19.00、76BBという莫大なものです。

いま挙げた例は、黒白はっきりしたわかりやすいものですが、こんなことはテーブル上でしょっちゅう起きているのです。私自身鮮やかなプレイをやってやろうと思い、相手にちょっとした捲り目を与えてしまいそこから引かれたり、あるいは相手もまた強いハンドを引いていたというのに相手のスタック全部とるチャンスを逃したりしたことがありました。こんな状況は避けるべきです。強い手を持っていたら、スロープレイせずベットをすべきなのです。スロープレイで得られるのはよくて1ベットか2ベット分のおまけです(要するに薄いバリューってことですね)。最悪の場合あなたのスタック全部失ったり相手のスタック全部とれるチャンスを逃したりしかねません。これらの例の教訓とは?こんなプレイは最初からしないこと。

 

スターティングハンドの選び方:初級タイトプレイ講座

これから語ることはとても重要で、初心者にとっては最重要課題といえるかもしれません。私がこのゲームをプレイし始めたばかりのころ、負け続けた最大の原因がこれでした。微妙な状況を避けるまず第一歩はプリフロップにあります。あなたは手堅い手だけをプレイすべきで、それはそうした手が常に安定して確かなバリューを与えてくれるからです。一方で(スーテッドコネクターやワンギャッパーのような)期待含みの手やトラブルを招く手は、初心者のうちはプレイすべきではありません、というのは、これらをプレイしてバリューを引き出すにはフロップ後のプレイがそれなりに出来なくてはならないからです。
もしあなたが常にポケットペア、AQ、AK、AJといった手堅い手でプレイするなら、確実なバリューを得られるのです。またこうした手の場合はフロップ後のプレイでの決定が楽にできるでしょう。AQといった手でポットに参加した場合、大抵はフロップがヒットするかしないかで状況がはっきりとわかります。こうした手はフロップ後のプレイがとても楽です。特に相手がフィッシュの場合はなおさらです。もしAQを持っていてフロップがA37とおちたら、通常あなたは同じくAを持ったフィッシュを相手に3つのストリートすべてでバリューを引き出すことができます。もしフロップをミスしてあなたのコンティニュエーションベットに相手がコールしたら、そこで手を楽にあきらめることができます。チェックで回し続けることもできまけれども、しかしまあ、ほとんどのフィッシュにはチェックボタンや、フォールドボタンが見えていないようです。こういうプレイはちょくちょく「ウィークタイト」と呼ばれており、そうすることは全くもって正しいのです。マイクロレートではウィークタイトであることは決して悪いことではありません。実際このプレイスタイルは利益を生み出してくれるのです。すべてのゲームでベストなプレイとは言えませんが、あなたのとりあえずのゴールはマイクロレートで勝つことであり、そのためにはウィークタイト以上のプレイをする必要はないのです。このプレイスタイルを基礎としてそこからあなたのプレイスタイルやゲームの進め方を広げていけばいいでしょう。ウィークタイトから始めてダブルバレル(訳注:フロップとターンの両方でブラフベットすること)やフロップでフロートを仕掛けてターンでスティールを狙うプレイなどを足していけばいいです。そうなれば、あなたは堅実なTAG(タイトアグレッシブ)なゲームをプレイできるようになるまであと少しです。知識は徐々に積み重ねていけばいいのです。ウィークタイトなプレイはそのスタートラインとして適しているといいでしょう。

スターティングハンドの一覧表を載せるということは、ここではやりません、というのはそうした表は常によしあしが論議の対象となっているからです。ですが、全くの初心者向けに、一般的なガイドラインは述べておきたいと思います。その範囲でプレイしていれば、トラブルに巻き込まれることもなく、フロップ後の決定が楽にできることでしょう。ここでの前提はあなたがポットをオープン(訳注:オープンとはプリフロップで誰も参加していない状態からコールやレイズで参加すること)立場にある(つまり前のプレイヤーはみんなフォールドしている)ということです。

最初にレイズで入る手:
UTG/UTG+1: AQs, AK, 77+
MP1: AJ+, 55+
MP2/3: AJ+, KQs, 22+
HJ/CO: AJ+, KQ, QJ, 22+
BTN: A8s+, KQ, KJ, QJ, 22+

繰り返しますが、これはかなり極端に一般的で基本的なプレイの場合で、このレートで勝つにはどの程度の手の範囲でプレイすればいいかということに絞り込んでいます。あなたが目指すのはプリフロップでものすごくタイトにプレイし、それによってフロップ後のプレイをシンプルなものにすることです。いい手でベットをして分厚いバリューを得るのです。ゲームを学びたての間はスーテッドコネクターをプレイするのはお勧めできません。あなたのフロップ後のプレイの技術ではそこから目いっぱいのバリューを引き出すのは難しいでしょう。確かにこういう手はパワフルではあるのですが、マイクロレートをプレイしている間は関わらないほうがいいです。これを読んでいる方の中には上のガイドラインをあまりにタイトすぎると思う人もあるかと思いますが、それこそがここで狙っていることなのです。私自身AJoでMP1からオープンレイズすることがよくありますし、標準的なプレイとも言えるのですが、ここで述べているのは初心者のための第一歩なのです。もし上の通りにプレイしてもっといけると思えるようになったら少しばかり手の範囲を広げてもいいかもしれません。ただブラインドでのプレイでは手の範囲はすごくタイトに絞るべきで、それはそのハンドの間ずっと悪いポジションでプレイするというつらい立場にあるからです。いまのあなたにはその立場がなぜそんなにつらいことなのかわからないかもしれませんが、ここは私を信じておいてください。

ここで私が上のガイドラインにブラインドからのプレイを入れていないことに注意してください。そうした理由はあなたがSBからオープンすることはあまりないし、やる場合には手の範囲がボタンからのものよりも広いものになるからです。SBからのオープンについてこれまでほとんど述べてきませんでしたが、これはそのプレイがこのガイドで述べようとしていることのレベルを超えたものになるからです。またSBからのオープンはスティールのやり方の話になり、その話題は私よりも、この掲示板(訳注:2+2掲示板のこと)の他の書き込みでうまく論じられていると思います。中級以上(NL25以上)のプレイでは、レイトポジションからのスティールが含まれてきます。そのレベルに達するまではSBを最悪のポジションと認識しておいていいかと思います。だからブラインドでのプレイはいまのところタイトなものにしておけばいいでしょう。もしレイズが入って、それにコーラーがいる場合にSBでAJoをフォールドしたとしたら、それで全く問題ないプレイだと言えると思います。

あとひとつ述べておきたいのはプリフロップでレイズにコールするときの手です。レイズにコールするにはオープンするときよりもいい手が必要です。たとえばMP1でAJoでコールするのはOKだと思いますが、UTGからのレイズにそれでコールするのは、UTGのプレイヤーがAK/AQを持っている可能性が高いことを考えるとドミネイトされやすく危険だと言えます。マイクロレートでは90%のプレイヤーはそうとも言えないのかもしれませんが、上の一般的なガイドラインに従っておいたほうが微妙な状況に立たずにすむことでしょう。

  1. ノート:ポケットペアはインプライドオッズが高いので、ペアでレイズにコールするのにはそれほど慎重になる必要はないでしょう。一般的にいってもしフルスタックを持ったプレイヤーが自分の前でレイズしたらコールするのは義務とさえ言えます。もちろんどのレートでプレイしているか、相手はだれか、ポジションはどこか、スタックサイズはどれぐらいかという情報次第で変わってはきます。一般的にいって10NLでは相手がフルスタックを持っている限り標準的なレイズにはコールすべきと言えます。もし相手がハーフスタックかそれ以下なら、セットを引いてもインプライドオッズがないために、コールするかどうか微妙になってきます。25NLのレベルに達したら、ポケットペアでコールする範囲をテーブルの状況に合わせていくようにすればいいと思います。

 

相手:理解してからプレイすること

ここではマイクロレートでよく目にするような相手プレイヤーのタイプについて手短に述べておきたいと思います。PokerTracker3やHold’em Managerといったソフトウェアは初心者のうちから使いこなせるようになっておくべきでしょう。PT3は60日の、HEMは15日のトライアル期間があります。両方のトライアル期間を試し終えてから、どちらかを購入すべきか選べばいいと思います。もし決められないならHEMのほうがこの掲示板では好まれているようで、私もこっちを使っています。ここの掲示板で使われている統計数値はこれらのプログラムから得ることができるものです。このスレッド(英語)を読んで学ぶのがいいでしょう。

 

*Zethは最近フィッシュのいろんなタイプについてすばらしい書き込み(英語)をしています。

 

多面打ちのタイト (~3-10/2-8) - この手のプレイヤーは楽に降ろすことができます。でも、相手のベットに打ち返すときは慎重にしてください、というのも彼らがポットに参加してくるときは大抵はいい手を持っているからです。もしこの手のプレイヤーがあなたのプリフロップレイズにコールしてきて、あなたのフロップベットにコールしてきたりレイズするようなら、あなたはおそらくTPTKを持っていても負けているでしょう。たいていの場合、こういう場面でセットを持っているのです。彼らのターゲットはあなたではなくフィッシュです。でも彼らがあなたに向かってベットしてきたら用心しなくてはなりません。

パッシブなフィッシュ (~30+/10) ― いわゆるコーリングステーションとして知られるタイプです。彼らは(プリフロレイズ率の低さからもわかるように)レイズするのは好きではありませんし、ベットするのも好きではありません。それよりもあなたのベットにはコールして穏健にプレイし続けようとします。コーリングステーションに対してはブラフしてはいけません。ボードにかすりでもしていたら彼らはコールしてくるでしょう。この手のプレイヤーはバリューを引き出すの簡単なので一番プレイしやすい相手だといえます。

アグレッシブなフィッシュ (~30+/30+) ― この手のプレイヤーはコーリングステーションに比べればやっかいですが、それでも利益を得ることができます。彼らはドンクベット(訳注:前のラウンドでのレイザーが後ろのポジションに控えている状態で先にベットすること)をよく行い、誰からもベットがされていないポットにまずベットしてきますし、プレイはルースでアグレッシブです。彼らに対するプレイとしては(TPTK以上の)プレミアムハンドを持った状態で相手にブラフをさせることです。相手のベット額があまりに小さい場合を除いて、ジャストコールしておくのがいいでしょう、というのも相手はあなたを降ろそうとどんどんベットしてくるだろうからです。フロップではコール、そしてターンレイズというプレイはこういうプレイヤー相手にはいいプレイです(自分にいい手があった場合ですが)、というのも相手はあなたのプレイをスティールと思い込んで、降りたりはしないでしょうから。.

レギュラー (~12-18/~10-16) ― 彼らは危険なプレイヤーです。2+2の掲示板に書き込みをしているようなプレイヤーの標準的な数値はこれぐらいでしょう。彼らはあなたと同じようにポジションでの有利不利について理解しています。もし相手があなたのことをレギュラーとみなしているようなら、ムーブ(訳注:ブラフやスロープレイのように手の強さを反映したバリューベット以外のプレイ)をしかけてもいいでしょうが、頻繁にやるべきではありません。ゲームの経験を積んでいく中であなたのムーブを試すとしたらそれは彼らを相手にするべきです、というのも、(大抵の場合)彼らはちゃんと考えてプレイしているからです。ただそれは、彼らがあなたを堅実なプレイヤーだと分かっている場合に限ります。もし彼らがあなたのことを知らないか、あなたのことをフィッシュだと思っている場合、相手はそのようにプレイしてくることでしょう。

ショートスタック (20BB - 50BB stacks) ― この手のプレイヤーはさらにいろんなタイプに分かれますが、そのほとんどについてはここで学ぶことができます。ほとんどのショートスタックはひどいプレイヤーです。相手が下手でありしかもスタックがショートだと理由からあなたは簡単に相手を打ち負かせることでしょう。あなたが25NLをプレイしていて$7のスタック持った相手がオールインしてきて、その他のプレイヤーがみんな降りたとしたら、TTぐらいの手でそれにコールするのに悩むことはないはずです。というのも、相手にとっては、よくてコインフリップ(訳注:いわゆる「じゃんけん」)という状況だからです。相手がKQ、AJ、77、あるいはそれ以下の手でオールインしてくることがよくあります。それゆえに相手のスタック全部を一気に勝ち取れるということもよくあります。もちろんこれは一般的な場合で、タイトなショートがオールインしてきた場合には、いい手なしにコールすべきではありません。ほとんどのショートはそれには当てはまりませんが。

よく知らないプレイヤー ― もしあなたがあるプレイヤーのことを知らず、どうプレイするかの統計も読みもない場合には、慎重にそのプレイヤーに対処することをお勧めします。確かにドンク(訳注:フィッシュと同義で下手なプレイヤーのこと)やフィッシュはマイクロレートには数多くいますが、それ以上の数のレギュラーやニット(訳注:タイトなプレイヤーのこと)もいるのです。知らない相手は誰でもフィッシュだと決めてかかるのは、実際のところマイクロレートにはそれ以上の数のレギュラーやニットがいるという理由で間違いと言えます。50-100ハンド程度相手とプレイすれば、相手のプレイについては少しはわかってくるだろうと思います。だから全く知らない相手があなたのフロップベットをレイズしてきてあなたに何も手がなかったら、降りるべきです。また、もしどういう相手かわからないプレイヤーがあなたのフロップベットをレイズしてきてあなたの手の中にあるのがTPTKだったらならコールすればいいと思います。そしてもし相手がターンでベットしてきたら、おそらくもっと相手に関する情報が手に入るまでは降りるのが正しいでしょう。全く知らない相手とのぶつかり合いというのは微妙な状況なのですから、避けるべきなのです。

 

25NL以下でのプレイの一般的なアドバイス:

・もしパッシブな相手がレイズしたり強くベットしてきたら、セット以上の手がない限りフォールドすべきです。
・フィッシュにはブラフしないこと。
・フィッシュにはブラフで打ち返さないこと。
・常にプレイしている相手がどんなプレイヤーかを意識しておくこと。
・フォールドを中心に考えてプレイすること。マイクロレートでよくみられるミスプレイはコールしすぎることで、フォールドすべきなのです。
「え~、でもフロップは相手の手の範囲からは外れているし、どうのこうの・・・。」いいえ!降りなさい。
・相手がブラフで打ち返してくることはないです。もしマイクロレートで誰かがあなたのベットに対してレイズしてきたら、そのプレイがリプレゼントする通りの手を持っているはずです。もしあなたがフィッシュがあなたからスティールを狙っているなと思っても、それに対抗できるだけの強い手がないならば、降りておくべきです。ポットは相手にくれてやってかまいません、だってあとから取り返せるのですから。ポーカーというゲームでは相手にブラフされてスティールされるのは当たり前におきますから、それに慣れることです。
・私は本気でいっているのですよ。フォールドしなさいと。

 

バンクロール:あなたが思っているより大事な要素です

バンクロールというものはポーカーをプレイし続ける中でとても大事な要素です。もしあなたがこのゲームを大事な趣味と思っていて、過去に何度かデポジットしたことがあるなら、そのデポジットは家計のその他と分けた会計にしなくてはなりません。これは絶対に必要なことです。あなたはなにがあってもその会計の許す範囲内でプレイしなくてはなりません。こうした私の考えに同意しない方もいるだろうとは思いますが、信じてください、その通りなのです。意識しているかどうかはともあれ、このことはプレイ中の心理状態に影響します。私が初心者のころ、(それが何度目かとなる)$25をデポジットして、4NLをプレイしていました。これはたった2.5バイイン分しか持っていなかったことになります。これ以上ひどいことはそうできるものではないです。

たとえばあなたが$50のバンクロールであなたが5NLをプレイしているとしましょう。あなたにはKKが入りプリフロでオールインになり相手はAAを持っていて、結果は-$10。これはバンクロールの1/5が1ハンドで無くなったことになります。あなたが悪い?もちろんそんなことはないです。KKでAAとぶつかるのはポーカーには付き物ですが、それでもあなたがバンクロールの大きな部分を失ってしまったことには変わりありません。バンクロールの1/5を失って平静にプレイし続けるなんてできるわけがないです。私が初心者で$50程度のバンクロールでプレイしていたころ、自分のミス以外の理由であっても1バイイン分を失った時はとっても悲壮な思いになったり激昂したりティルトになったりしたものです。なにしろバンクロールに大打撃を食ったのですから。バンクロールが$200に達するころにはそうした感情は無くなっていました。バンクロールで十分にカバーできるなら、バイインを全部なくしても気持ちを乱すことなどないはずです。そのまま普通にプレイが続けられるでしょう。でも同じようなプレイで1/4ないし1/5のバンクロールが吹き飛んでしまったとしたら・・・間違いなくそれがプレイに影響してきます。適切なバンクロールとして広く勧められているのが、少なくともプレイするレートでの20バイイン分ということです。だから5NLか10NLでのプレイで$10が最高バイインだとしたら、バンクロールには少なくとも$200がなくてはなりません。私の見たところではこの基準は多くのプレイヤーにマッチしているようで、初心者へのガイドラインとしてお勧めできます。

 

ティルト:フィル・ヘルミュースみたいにならないこと

ティルトは自分にとって最大の敵となることがよくあります。多くのプレイヤーにとって、馬鹿なフィッシュが2アウツを引いてあなたのスタックを全部かっさらっていくのを目の当たりにしたら、そばにいた子猫を蹴っ飛ばしてうさを晴らすなんてやり方に頼るのでもない限り、そこから立ち直るにはとても時間がかかるものです。これは普通のことで、自分がそうなっているのに気付いて、それが大問題を引き起こす前に、自分自身のコントロールを取り戻さなくてはなりません。プレイ中にフィッシュにバッドビート食らわされ、それに対して感情が激したなら(激するものです)、ただちにログオフしてちょっと休憩するのがいいでしょう。もしテーブルに戻ってそのフィッシュがまだプレイしていたとしたら、最悪なのは、そいつからダブルアップして取り戻そうとすることです。バッドビートを食らうというのは恥でもなんでもないですし、その直後に休憩をとるというのもまたしかりです。それによって稼ぎの期待値はあがるはずです。あなたが自分のベストのプレイができないとしたら(保証しますが出来っこないです)、テーブルにいてプレイすべきではないのです。しばらくたって落ち着いたらまたテーブルに戻って、堅実なプレイを再開すればいいのです。

多くのプレイヤーにとってティルトの状態から自制心を取り戻すすべを身につけるには長い時間がかかるもので、それをいつまでたってもマスターできないプレイヤーだっていますが、自分がどんな精神状態でプレイしているかということには常に注意を払っておくべきです。フィッシュがランナーランナーでナッツを引いてあなたのスタックを全部持って行ったときに「へっ、面白い目にあったぜ」と笑ってやり過ごし、プレイを続けられている自分に気付いた時、それは大いなる満足を与えてくれることでしょう。その目標に出来るだけ早く達せられるよう努力しましょう。

 

学び続けること、そして上達し続けること:それこそ稼ぐこと

学び続け、そして上達しつづけるために、私は以下のことをお勧めします。

・疑問に感じたハンドを掲示板にポストする。1回につき1ハンドずつですよ。
・ハンドへの議論に積極的に参加し誰かの意見に対し質問を返すこと。
・少なくともポーカーの本を1冊は常に読んでいる状態を保つこと(損はないですよ)。
・掲示板の意見交換を全部読むこと。そう、全部です。マイクロレートに関する素晴らしいスレッドを集めたもの(リンク:http://forumserver.twoplustwo.com/69/micro-stakes-pl-nl/best-unl-strategy-posts-98125/)がサブフォーラムにあり、70ほどのスレッドから多くの情報をえることができます。1日2-3スレッド読んでいけば、短期間に多くの知識を得ることができるでしょう。もし、読んだものを消化しきれていないと思ったら、一週間後にもう一度読むことです。
・セッションが終わるごとに、そのセッションでの最大の負けハンドを反省すること。友人と討議したり、フォーラムにポストして意見を求めるのもいいでしょう。自分がどこでミスしたか(ミスがあったなら)を捜し求め、今後のセッションのためにそれを心に留めておきましょう。これがミスを修正するベストの方法です、というのも、そのプロセスで同じことが何度も何度も繰り返し現れてくるでしょうから(TPGKでスタック全部失った、等々)。

*ノート:読んで学んだことを実際に試すときは慎重になるべきです。たとえばHarrington on Cashを読んでいるなら、あそこででてくるアドバイスは全部、それなりに考えてプレイしている相手を想定していることに留意すべきですが、マイクロレートでは必ずしもそうとはいえないです。フォーラムで読んだことも同様です。どの場面でアドバイスが有効かということは常に考えておかなくてはなりません。マイクロレートで通用するようなものも数多くあるのですが、どれがそうでどれがそうでないかは注意すべきです。自分のプレイしているレートでは有効でないというものでも、自分のゲームへの理解を深めるために読んでおくべきではありますが、それをテーブルでやることは避けましょう。(マイクロレートでのプレイに当てはまらないアドバイスは)その通りにしないようにすべきです。

自分が今プレイしているレートで勝てるようになったら、より薄いバリューを追い求めることを始めてもいいでしょう。カードではなく相手をプレイするというようなことを始めてもいいかと思います。多面打ちのレギュラーが標準的なコンティニュエーションベットを打ってきて、ボードは相手のカードにヒットしているとは思えないときは?コールしてターンで打つとか、フロップをレイズするというプレイをしたり、フロップをフロートして中ぐらいの強さのポケットペアでショーダウンに持ち込んでもいいかもしれません。もしレギュラープレイヤーがあなたのこともレギュラーだと認識していたら、相手のフロップでのコンティニュエーションをトップペアグッドキッカーでコールしてターンとリバーはチェックで回すのもいいと思います。もし相手が何にもなしでコンティニュエーションベットを打ってきていたら、相手もそこからはチェックで回しても仕方ないと思っている可能性もありますから。怖いカードが落ちた時には、そのハンドをリプレゼントしてブラフしたり、ニットを相手にブラインドをスティールしたりする、ポーカーでのいわゆる上手いプレイも取り入れていいと思います。そういうことを試すのはもっと学んでからと思うかもしれませんが、あなたは今のレートでは勝ち組になりつつあるのですから、プレイのレパートリーも増やしていかなくてはなりません。でも、フィッシュはあくまでもフィッシュであることは忘れてはなりません。そういう相手には基本的なゲームプランを変えないこと。つまり分厚いバリューを狙うということです。フィッシュから薄いバリューを引き出すことだってできるのですが、そのバリューは本当に薄い上にぶれをもたらすことにもなります。もっと上達するにつれ、それを狙えるようにはなるでしょうが、あせらないことです。まずこのレートで勝てるようになること、そのレートの支配者になろうとするのはそれからです。

 

それぞれのレート特有のアドバイス:あなたの相手はどれぐらい馬鹿なのか?

2NLおよび5NL ― このレートだけで有効でそれ以外では全く通用しないというプレイがあります。それはリンプインです。なぜそうかというと、ひとつには200BBのディープスタックを持っているからで、もうひとつの理由がプレイヤーが全般的にアグレッシブではなく、複数のリンパーに対してレイズをしかけてくることがあまりないからです。ポケットペアならどのポジションからリンプしても期待値プラスになるでしょう。強い手がきたなら通常通りレイズオープンすべきなのですが、リンプする機会を増やしてもいいかと思います。期待含みの手は200BBのディープスタックでなおかつ相手があまりアグレッシブでない時に素晴らしい手となり得ます。このレートでは、たとえあなたがニットとしてプレイしていていい手が入った時にフィッシュがペイオフしてくれるので、とても稼ぎやすいです。

このレートでのあなたのゴール:ポーカーの基本を学び、バンクロールを確立させること。
相手の馬鹿度:おバカなヘレン・ケラー

10NL ― このレートに入ると、状況は少しばかり難しくなってきます。スタックは100BBしかないし、プレイヤーはもっとアグレッシブになってくるので、単純にリンプしているだけでは通用しなくなってきます。実際、10NLに到達したならリンプはすべきではありません。例外はレイトポジションで前に数人のリンパーがいる場合(つまり、大きくレイズされる可能性が低い)です。このレートではまた、フロップ後のプレイがもっとアグレッシブになっていることに気づくことでしょうが、まあスタックサイズを除いては5NLとそれほど変わることはありません。ポケットペアでレイズにコールするのはインプライドオッズが下がるために、避けるべき場面が増えるとは思いますが、それでも多くの場合は利益の元になってくれるでしょう。

このレートでのあなたのゴール:分厚いバリューを得るための基本を学び、バンクロールを確立すること。
相手の馬鹿度:おバカなヘレン・ケラーが怒っているところにスプーンを持たせた状態(訳注:家庭教師アン・サリバンがヘレン・ケラーに最初に教えたことのひとつが、手づかみではなくスプーンで食事を摂ることだったエピソードに基づいていると思われる。)

25NL ― このレートはあなたがゲームのプレイの仕方を大きく適応させなければならない最初のレベルです。あなたはポジションを十分に意識してプレイしなくてはなりませんし、フィッシュをアイソレート(訳注:フィッシュ以外のプレイヤーを降ろしてヘッズアップに持ち込むこと)することや、ダブルバレル、フロップのフロート、スティールといったプレイをやらなくてはなりません。もちろん、こうした技を繰り出すには相手を選ばなくてはなりません。ここでもフィッシュはフィッシュなのでそれにあったプレイを行う必要があります。このレベルではアグレッシブ度がかなり上がってくるので、本物のフロップ後のプレイをしなくてはならないでしょう。

このレートでのあなたのゴール:プレイのレベルを中級にまで高め、スーテッドコネクターのプレイ、ポジションを利用したプレイ、アイソレーションレイズ、スティールなどのプレイを取り入れる。
相手の馬鹿度:「アイ・アム・サム」でのショーン・ペン(訳注:ペンはこの映画の中で知的障害者を演じている。)

 

よくある質問と最後のアドバイス

最近、フォーラムでよくAKについての話題を見かけるので、この手について述べておきたいと思います。私がゲームをプレイし始めのころ、AKでフルスタック持っていてオールインまで打ち合うのは普通だと思っていました。でもそうではないと思います。もしあなたが初心者なら、AKがきたらとても嬉しいし、フロップをミスした場合でも降りるのが難しいことでしょう。私があなたに対して望むのは、そのAKを愛する気持ちを半分程度にまで抑えるということです。この手の強さを現実的に評価すると、それぐらいになるのです。もっと上のレベルでプレイしているなら、AKというのはAA、KKのようにプレイするための手といえるのですが、いまここで取り上げているのはマイクロレートです。AKはフロップがヒットしなければただのAハイなのです。もしフィッシュがターンでベットしてきて、あなたの手がAハイのままなら、降りてしまうことです。それ以上のことを試みる価値はありません。AKはショートスタック相手ならプリフロオールインまでいくのが標準的なプレイですが、相手がフルスタックならそれは避けるべきです。(相手や状況次第ではその限りではありませんが。)

プリフロップでニットやレギュラー相手にAKをプレイするときは注意すべきです。もし相手が最初にレイズしている場合は、いい状況とはいえません(すでに誰かがポットに入っているところへ相手がレイズしているならさらに状況は悪いです。)ここでのベストのプレイはコールしてフロップをみてそれからプレイをどう進めるか決めることでしょう。AKはいい手ですが、初心者は強さを過大評価しがちです。テーブルに着いている時は、AKを過大評価するのは負けへの道につながっていることを意識しておきましょう。

「フィッシュのバリューベットにコールしちまった。トップペアトップキッカーでスタック吹き飛ばしているようじゃ、自分がフィッシュ並みのアホなプレイやってるのと変わりないじゃないか?こればっかりは運が悪いとか言い訳できない!」

私もこんな疑問を自分に投げかけたことがありました。幸運にも答はすぐに見つかりました。フィッシュ相手にスタックを全部失ってしまうのは、相手のプレイがあまりにひどく、馬鹿げていて、一貫性がないがゆえに、相手がどんな手を持っているのか推測するのが不可能だからです。相手の手の範囲を絞るのもその範囲があまりに広すぎて絞りきれません。フィッシュがプリフロップでQ4oで大きなレイズにコールするのだって、相手がそうしたいと思うなら、それがどんなに馬鹿げていようともやるのです。フィッシュはドロー、ミドルペア、ボトムペアといったどんな手でもオールインでプレイしてきます。こうした相手のプレイは予想するのは不可能ですが、相手が50%の手をプレイしているなら、あなたがプレイしている12%の手の範囲のほとんどはフロップを見る前でさえもそのほとんどに大きく勝っています。

相手がプレイする手の範囲があまりに広い場合、それに対処するには相手の手の範囲のほとんどに対して参加していくことしかありません。相手がプレイしている範囲の手のほとんどは屑手なので、TPTKで相手からスタック全部を奪って満足することが多いでしょう。時には相手の手の範囲のトップの部分にぶつかってしまってあなたのほうがスタックを全部失くすこともあるでしょう。これはどうしようもないことなのです。これを「修正」しようとすると、フィッシュに対してうまいプレイヤーに対するときと同じようにプレイするしかないのですが、これをやると間違いなく期待値はマイナスになります。TPTKでフィッシュ相手の時はほとんどの場合勝っているのですから、たまたま負けた時に全部を失うのは避けようがありません。この点を強調するために3つの例を挙げたいと思います。これらは私が実際にプレイしたハンドです。

例1: フィッシュを過大評価しすぎる。
このハンドをプレイした時点では相手のことはよくわかっていませんでした。だから私としては相手をもしかしたら上手いかもしれないプレイヤーとみなすしかありませんでした。相手はJJ+をリプレゼントするようなプレイをしてきているので、私は降りざるを得ませんでした。その後、このプレイヤーは100%のVPIP(参加率)でその後10分ほどプレイして、最後はプリフロップでオールインしてスタック全部を失いました。

ポーカースターズ $0.10/$0.25 ノーリミットホールデム- 7プレイヤー-ハンド60176を見る
2+2 公式ハンドコンバーター、DeucesCracked.com提供

SB: $19.75
BB: $10.80
UTG: $15.80
UTG+1: $25.00
MP: $25.20
CO: $25.75
ヒーロー(BTN): $25.00

プリフロップ: ($0.35) ヒーローはボタンでTTを持っています。
UTGは$1へレイズ、3人フォールド、ヒーローは$1をコール、2人フォールド

フロップ: ($2.35) 739(2プレイヤー)
UTG は$1.75をペット、ヒーローは$4.50へレイズ、UTGは$2.75をコール

ターン: ($11.35) 7(2プレイヤー)
UTGは$10.30をベットオールイン、ヒーローはフォールド

最終ポット: $11.35
UTGは$10.80を獲得

 

例2:相手のバリューに対してチップを差し出してしまう

フィッシュ相手の場合、これは正しいプレイだと言えます。相手の手の範囲のトップとぶつかってしまった時これが起きるのです。これをやられたときは悔しいものですが、これが1回起きる間に、もう3回相手から勝てるのです。もし相手が上手い場合は、私もトップペア程度の手でドロー目の沢山あるボードではターンをチェックしてリバーでチェックコールするか小さなベットをしてポットを小さく保とうとしたでしょう。

ポーカースターズ$0.10/$0.25ノーリミットホールデム ― 9プレイヤー - ハンド60179を見る
2+2 公式ハンドコンバーターDeucesCracked.com提供

UTG: $14.90
UTG+1: $14.50
UTG+2: $25.00
MP1: $28.85
MP2: $25.00
CO: $1.90
BTN: $6.35
SB: $14.85
ヒーロー(BB): $27.55

プリフロップ: ($0.35) ヒーローはBBでTA♠を持っています
UTGは$0.25をコール、7人フォールド、ヒーローは$1.25をコール、UTGは$1をコール

フロップ: ($2.60) 3T9(2プレイヤー)
ヒーローは$1.50をベット、UTGは$1.50をコール

ターン:($5.60) 2(2プレイヤー)
ヒーローは$4.25をベット、UTGは$4.25をコール

リバー:($14.10) 2(2プレイヤー)
ヒーローは$8をベット、UTGは$7.90をコールオールイン

最終ポット: $29.90
UTGはJJを開きます(Jと2のツーペア)
ヒーローはTA♠(Tと2のツーペア)
UTGは$28.45を獲得

 

例3:フィッシュはやっぱりフィッシュ

こういうハンドには始終出くわします。だからあなたは相手のすべての範囲に対してベットしなくてはならないのです。なぜあいつらはこんなバカばっかりやり続けるのでしょう?知ったことじゃないです。

ポーカースターズ $0.10/$0.25 ノーリミットホールデムNo Limit Hold'em - 9 プレイヤー - ハンド60182を見る
2+2 公式ハンドコンバーターDeucesCracked.com提供

CO: $9.55
BTN: $34.00
SB: $30.80
BB: $29.10
UTG: $3.30
UTG+1: $21.00
UTG+2: $15.40
ヒーロー(MP1): $33.95
MP2: $26.30

プリフロップ: ($0.35) ヒーローはMP1でQAを持っている
3人フォールド、ヒーローは$1までレイズ、3人フォールド、SBは$0.90をコール、1人フォールド

フロップ:($2.25) 7♠6Q(2プレイヤー)
SBはチェック、ヒーローは$1.25をベット、SBは$1.25をコール

ターン:($4.75) 6♠ (2プレイヤー)
SBはチェック、ヒーローは$3をベット、SBは$3をコール

リバー:($10.75) 4♠ (2プレイヤー)
SBはチェック、ヒーローは$6をベット、SBは$6をコール

最終ポット:$22.75
SBは74をマック
ヒーローはQA (ツーペア、クイーンと6)をショー
ヒーローは$21.65を獲得

 

エピローグ

このガイドが、マイクロリミットで勝つのに苦労しているプレイヤーの助けになることを切に望んでいます。すべてのアドバイスは25NL以下のすべてで通用するし、いくつかは50NLでも使えます。あなたのまず第一の目標は分厚いバリューを見つけだして強い手を強くプレイすることです。利益が出るようになってきたら、プレイをより改善していって、状況さえ正しければより薄いバリューを追いかけるようにしていってください。それなりの利益が出るまでには、多くの時間がかかり、その間多くのハンドをプレイしなくてはならないでしょう。でもこれは、誰にだって出来ることなのです。昔やっていたようなプレイに立ち戻らないように注意してください。しびれをきらしてKJsをUTGからプレイするなんてことをまた始めないように。退屈だからといって鮮やかなプレイを狙わないように。うまくいくことが分かっていることをやるのです。AAでとれるのがブラインドだけなんていうことを何度も経験するでしょうが、気にしてはいけません。常にレイズしていれば、そのうちJJ、QQ、あるいはKKなんていうハンドで相手はプリフロップで立ち向かってくるでしょうし、誰かはTPTKをヒットさせてあなたにスタックを全部もっていかれることでしょう。忍耐強く、堅実にゲームをプレイしていれば利益はついてくるのです。最初に立てたゲームプランから外れないこと、分厚いバリューがあるのを見逃さないこと、そしてフィッシュからむしり取ることです。

まとめ

* 分厚いバリューを見つけて強くベットすること。
* あなたが勝てるのは相手のほうが下手だからです。
* 微妙の状況に巻き込まれないこと。そういう状況は避けなくてなりません。
* プリフロップで強い手を選んでプレイすること。
* スロープレイしたり、鮮やかなプレイを狙わないこと。
* 相手プレイヤーに気を巡らせて、どんなタイプのプレイヤーか見極めること。
* よくわからない場合はそれなりにきちんと打てるプレイヤーとみておくこと。
* 相手が打ち返してくるってことはあんまりありません。
* 迷ったらフォールド。
* インプライドオッズがない限りドローを引きに行かないこと。

*最後のノート:もしあなたが25NLかそれ以上のレートのレギュラーならここにある情報はそれほど目新しいものではないことでしょう。それでも読んでくだされば嬉しいですが、このガイドはうまく勝てていないプレイヤーを対象としていて、私が勝てていなかったときにこういうことを教えて欲しかったなと思うことをまとめたものです。そのことに留意してください。