ポーカートラッカーの読み方




統計を使って相手をプロファイリングする

 今までプレイしたすべての相手のハンドヒストリーを持っていたとしても、そのままの状態では有効活用することはできません。そこから相手がどんなタイプのプレイヤーか少しは理解するのにさえ、何時間もかけてハンドをみていかなくてはなりません。それに同じ相手と常にプレイするわけではないですから、何千人分のハンドヒストリーをみていかなくてはなりません。
 幸いなことにそんな気の遠くなるような作業をやる必要はないのです。ハンドヒストリーを分析するために作られたソフトウェアがあるのです。多くのサイトで使えるものは2つあります:Poker Tracker (PT) と Holdem Managerです。どちらも優れたソフトで機能にそれほど差はありませんが、日本ではホールデムマネージャーの方がメジャーなのでこちらをお勧めします。

 これらのソフトは、あなたが集めたハンドヒストリーから各プレイヤーに関する統計を算出してくれます。この記事では、それらデータの意味、そしてそれをどう利用するかについて述べていきたいと思います。
※以下の記述はノーリミットホールデムでのプレイを前提にしています。

カギとなる統計


名称

統計の意味

VPIP

24.6

Voluntarily Put Chips In Pot %(自主的なポットへの参加率)
: (ブラインド以外で)プレイヤーが参加した割合

PFR

7.5

Pre-flop Raise %(プリフロップレイズ率) :
プレイヤーがプリフロップでレイズした割合

PFA

2.3

Post-flop Aggression Factor(ポストフロップ・アグレッション指数)
: フロップ後にどれぐらいアグレッシブかの指標

WTSD

31.4

Went To Showdown %(ショウダウン率)
: フロップに参加した場合でショウダウンまで参加し続けた割合

W$SD

48.5

Won at Showdown %(ショウダウン勝率): ショウダウンにいった時の勝率

BB Steal

56.8

Blind Steal %(ブラインドスチール率)
: ブラインドをスチールする機会が与えられた場合に(プリフロップでレイズして)それを試みる割合

BB Defence

66.6

Blind Defence %(ブラインドディフェンス率)
: ビッグブラインドにいるときにスチールをかけられた時(コールかリレイズで)ブラインドを守ろうとする割合

Continuation Bet

83.5

Continuation Bet %(コンティニュエーション・ベット率)
: プリフロップでレイズした場合に、フロップでもベットする割合


 この記事の残りの部分では、これら8つの統計について詳しく述べていきます。それ以外の、もっと難しかったり、上記ほどには重要ではないけれども状況次第では有用な2つの統計についても触れることにします。
まず最初に最も重要な統計について述べることからはじめることにします。

VPIP
 VP$IP(自主的なポットへの参加率)は相手を「読む」上で最も重要な統計です。わずか10〜15ハンドのデータがあれば、VP$IPは相手の基本的なスタイルについて大体のことがわかります。簡単に言うと、VP$IPはコールかレイズかのどちらかでプレイヤーがポットに金を入れる割合です。(「自主的な参加率」なのでビッグブラインドでチェックで参加する場合はカウントされません。)
 適切なVP$IPの値は6人卓(ショートハンド)か10人卓(フルリング)かでも変わってきます。最も利益を上げているフルリングプレイヤーの典型的なVP$IPは17〜22パーセントです。フルリングではこの上限よりも高い数字のプレイヤーはルーズといえます。6人テーブル(ショートハンド)プレイヤーならVP$IPの22という数字は比較的タイトなものです。
 相手のVP$IPを知ることは、相手がプレイしている手の範囲を推測するのに役立ちます。以下のガイドラインは常に正しいというわけではありませが、プレイの手助けとなるでしょう。
テーブルの人数がかわれば適正な参加率も変わってくることに注意してください。
(人数が少なくなればなるほど、より頻繁に参加し、よりアグレッシブにプレイすることが適正となってきます。
人数が多いと、誰かがなにかハンドを持っているのでこちらにもっと強いハンドが無いと勝てませんが、少人数の場合は相手もハンドを持っていない可能性が高くなるので、ルーズアグレッシブにプレイして相手を降ろすことが重要になってくるためです。)


VPIP の範囲

一般的なスタイル

典型的なハンドの範囲(ブラインド以外で)

10%以下

ロック(超タイト)

AA-77, AJ+, KQ(ポケットペアとAKしかプレイしない人も)

10-15%

タイト

AA-77, 「絵札」, A9+

15%-22%

適正なタイト

上記のすべてのカードに加えてスモールペアとハイカードのコネクター(JTなど)、A-Xスーテッド

22%-30%

適正なセミルーズ

上記のすべてのカードに加えて、すべてのスーテッド・コネクターといくつかのオフスート・コネクターやワンギャッパーや、特に6人テーブルではハイカード(KTやA8オフなど)

30%以上

ルーズ

上記のすべてのカードと、その他予想もつかないカード



 この統計は相手のプリフロップでのスタイルに関しての貴重な情報となります。例えばVPIPが11%の相手は、ブラインド以外のポジションで5c6s8dというフロップでストレートを持っている可能性は、VPIPが36%のプレイヤーよりもはるかに低いことがわかります。しかし、VPIPが極端に高いプレイヤー(40%以上)を除いては、この統計からは、そのプレイヤーがどのぐらい強いか、つまりポーカー用語でいう「鮫」なのか「魚」なのかは教えてくれません。
ルーズなプレイヤーを、うまいプレイヤーか下手なプレイヤーか見分ける一つの方法がVPIPと関連したVPIP(LP)を見ることです。この統計は、ソフトによって異なる形で表示されていますが、目的は同じでプレイヤーがポジションを意識してプレイしているかどうかを評価することです。この数字がVP$IPに比べて高い時は、プレイヤーがレイトポジションを利用して、前のポジションで後ろにプレイヤーがいる時なら降りるような手でポットに参加していることを示しています。この統計は、VP$IPに比べて(正確な指標となるためには)より多くのハンドを必要としますが、ルースプレイヤーのスキルのレベルを推し量るには有効です。特にローステークスのNLではルースプレイヤーが多くなるので、とても価値があります。

PFR
 PFR(プリフロップレイズ率)は全てのハンドのうち、プレイヤーがプリフロップでレイズする割合です。VP$IPとともに、重要な指標です。これはテーブルを選ぶ時や、ゲーム中に相手のハンドを読む場合にもとても有効です。例えば、何百ハンドもプレイのデータがあるプレイヤーでPFRが1.0%だったとします。これはそのプレイヤーがレイズするのはたったの2つのハンドAAとKKのみで、その場合、あなたがJJを持っていても負けていることを示します。
典型的なフルリングNLの勝っているプレイヤーのPFR%は5から8パーセントです。6人テーブル(ショートハンド)のプレイヤーの場合は、ブラインドスチールの重要性が上がるために、もっと高くなり、10から12パーセントになります。典型的なPFRとレイズの手の範囲について下の表にまとめてあります。


PFR の範囲

Typical Pre-flop Raising Hand Range
典型的なレイズのハンドの範囲

3%未満

AA, KK, QQ, AK

3-6%

TT+, AJ+

6-10%

77+, A9+, KT+とおそらくいくつかのスーテッドコネクター

10-15%

ポケットペア、絵札、A-Xスーティッド、スーテッドコネクター

15%以上

s上記のハンドとその他予測不能のハンド



上の表はプレイヤーの手をゲーム中に読む上での有効なガイドラインとなります。(PTかPOの)トラッキング・ソフトウェアを使うことでどの程度のハンドでプリフロップでレイズしてきているのかわかるのですから。
プレイヤーはだいたいこのガイドラインにそってプレイしているようですが、もし、そうでない場合(例えばポケットペアでのみレイズする)は、プレイヤーノートにそれを書き留めておきましょう。
VP$IPと同じように、相手がどの程度ポジションを意識してプレイしているか、特にプレイヤーが単に「手札をプレイ」しているのかそれ以外の要素を考えてプレイしているか、がプレイヤーの能力を推し量る上で大事な情報となります。これにはプレイヤーのPFR%がアーリーポジション(UTG、MP1)とレイトポジション(CO、ボタン)で違うかを見ればわかります。(この統計が信頼できるレベルになるには最低1,000ハンドはデータを集めなくてはなりません。)
相手のゲームプレイにポジションが影響しているかどうか推し量るもう一つの方法が、Blind Steal %(ブラインドスチール率)をみることです。VP$IP(LP)同じように、もしプレイヤーが弱い手をアグレッシブにプレイして(小さい)ポットをスチールしようとしているなら、この値もPFRよりも高くなるはずです。

その他の情報と組み合わせることでPFRの情報価値はさらに高まります。
その他の情報というのは例えば、以下のようなものです。

  1. この相手は通常どれぐらいの額(bbの何倍)をレイズしてくるか?
  2. どの程度のハンドでレイズにリレイズするか?
  3. どの程度のハンドでリレイズにリリレイズするか?

 こうした情報はとても有効です。これらはHUD(ヘッズアップディスプレイ。トラッカーで分析した情報をポーカーテーブルに表示させてくれる機能)には表示されませんので、それを見た時にはプレイヤーノートにメモしておく必要があります。特にローステークスでは、これらの情報でプレイヤーの手を非常に狭い範囲か、ピンポイントで読めるようなプレイヤーがいます。もちろん、「ハンドでなくプレイヤーをプレイする」ようなスキルを持ったプレイヤーもいて、彼らはそこまで正確には読めません。そうした広い範囲の手を想定しなくてはならないプレイヤーは「鮫」とみなしていいでしょう。



PFA
 PFA(ポストフロップ・アグレッション指数)はフロップ後にベットかレイズをした回数を、コールした回数で割ることで得られます。Poker Trackerではこの数字をフロップ、ターン、リバーでの平均値で表示しています。フロップターン、リバー別々の数字をみることもできます。この3つの中ではフロップの数値がもっとも有効だと思われます(これについてはまた別の記事を上げることにします)。ただ、一般的には平均した数値が利用されているので、ここでもその数値について述べていくことにします。.
PFAは状況次第では判断を誤った方向に導くこともあるし、それゆえこの数字については意見が分かれていますが、PFAはプレイヤーの一般的なスタイルを表すのに役立つことは確かです:
パッシブ(消極的)なプレイヤー(なかでもルーズなプレイヤーは「魚」と呼ばれています)はAFが1かそれ以下です。これはコールをする割合がベットかレイズをする割合と同じだということです。
それらのパッシブなプレイヤーの中には、簡単に降ろせるもの(「ウィーク – タイト」)もいます。それ以外のプレイヤーは「コーリング・ステーション」と呼ばれ、ブラフすることは不可能です。これら2つのタイプを区別することは重要で、それにはWTSDと呼ばれる数字が役に立ちますが、これはプレイヤーがフロップにまで参加した場合にショウダウンまでプレイし続ける割合のことです。
 それよりも少しアグレッシブなプレイヤーはAFが1から2の間です。これは平均的な値で、それ以外の数字と組み合わせて考えない限り、プレイヤーに関する情報は多くは得られません。多くの場合、NLホールデムで、AFがこの範囲にあって、VP$IPも(教科書などで)推奨されているような範囲に収まっているようなプレイヤーは強いプレイヤーといえます。特にルーズになりがちなローステークスのフルリングゲームで、ブラフよりもバリューベットが戦略の中心となるゲームではそうです。
AFが2より大きいプレイヤーはアグレッシブなプレイヤーです。これらのプレイヤーのベットやレイズの何割かはブラフかセミブラフ(フラッシュドローやオープンエンドストレートドローのようなドローハンドをアグレッシブにプレイすること)の可能性が高くなります。AFが4かそれ以上のプレイヤーは「マニアック」です。これらのタイプのプレイヤーからのベットやレイズは普通のことであって、コールのほうがむしろ注意すべきです、というのも大きな手を完成させていて、それを隠そうとしている可能性があるからです。
後者のタイプのプレイヤーとプレイするのは難しいですが、もし彼のVPIPPFR、またはその両方が高い数値を示しているなら、トップペア、特にキッカーもいい場合には、ベットやレイズされた場合でも、勝っていると思っていいでしょう。

補助となる統計

 上で述べた3つの統計は、一般的に相手の「手を読む」上でカギとなるものだと見なされています。フォーラムのディスカッションでは、ポーカーのデータを表記するする典型的な例として「24.6/7.5/2.3」といった形式がもちいられます。これは検討の対象となっているプレイヤーのVP$IPが24.6%、PFRが7.5%、アグレッション指数が2.3ということを表します。この場合はややルースでアグレッシブなプレイヤーで、このスタイルでフロップ後のプレイのスキルがあれば、フルリングNLホールデムでそこそこに利益を上げられるようなプレイヤーだといえるでしょう。
しかしながら、これらの数値だけで相手のプレイスタイルすべてを推し量れるわけではありません。実際のところ、特にフロップ後のプレイにおいて、知識の空白部分がでてくるのです。以下にあげる2つの統計はそれらの空白を埋めるのに大いに役立つでしょう。


WTSD
  WTSD(ショウダウン率)は、プレイヤーがフロップに参加した場合に、ショウダウンまでプレイし続ける割合です。この数値自体が弱いプレイヤーを見つけだすのに、VPIPと同じぐらいに役に立つかという問題は議論の的となってきました。(もちろん両方併用するのが一番いいわけですが。)WTSDが20%-25%は、うまいプレイヤーが示す典型的な数値です。30%以上のプレイヤーは、おそらく降りるべき手であっても最後までプレイしていると言えます。WTSDが35%以上のプレイヤーにブラフを仕掛けるのはお勧めできません。
WTSD%それ自体はプレイヤーのフロップ後のプレイヤーのおおまかな傾向を指示しています。これを最大限に生かすには、前にあげた3つの統計(及びこれから述べるW$SD)とを組み合わせる必要があります。以下にWTSDとその他の統計を組み合わせて相手についての情報をどう引き出すかについて述べています:

  • 高いVPIPと高いWTSDの組み合わせ – これは典型的な下手なプレイヤーのもので、バリューベット(勝っている手の時にベットしてチップを稼ぐ。ブラフベットの反対。)を利用して攻めれば、チップを長い間保っていることはできないでしょう。(短期的には幸運に恵まれることもありますが。)
  • 高いPFAと高いWTSDの組み合わせ – これはこのプレイヤーが相手を降ろすのに十分なぐらい大きなベットを出来ていないことを示しており、おそらく、相手にドローを引かせてしまっているでしょう。
  • 低いPFAと高いWTSD – これは古典的な消極的な「コーリング・ステーション」でコールしすぎる傾向があるので、バリュー・ベットで攻めて、ブラフをさけることです。彼等は強いプレイヤーではないでしょう。
  • W$SDとWTSDの組み合わせについては、次のセクションで述べることにします。

上で述べたことから明らかになってきていると思うのですが、WTSDをゲーム中に意識しておくことは、相手の弱点を突くのに役立ってくれます。


W$SD
W$SD(ショウダウン勝率)はショウダウンになった場合に勝つ割合です。かなりの割合でこの統計はWTSD%と負の相関関係にあることが多いです。平均的なWTSD(〜25%)を持つプレイヤーの典型的なショウダウン勝率はだいたい50%程度です。50%以下のW$SDでサンプルサイズが大きい(10,000ハンド以上!)場合には、プレイになんらかの問題があるのだといえます。
もちろん、あなた自身以外のプレイヤーで10,000ハンド以上のサンプルをデータベースにもっていることなどほとんどないでしょう。ですから、この数字はスモールサンプルに基づいたものであり、短期的には運に左右されやすいので、あてにしすぎないようにすることをお勧めします。1,000ハンド以下のサンプルの場合、この数字はあてになりません。
W$SDを利用するには、1,000ハンド以上のプレイヤーの中で、極端な数値を示しているプレイヤーに注目するのがいいと思います。大半のプレイヤーはW$SDが45%から55%の間に収まっていますが、W$SDがその外にある場合には、プレイヤーのスタイルが反映されているとみて、注目していいと思います。そのためにはWTSDとW$SDを組み合わせてみることで、以下のようになるでしょう:

  • 高いWTSDと高いW$SDを持つ場合 – これは普通ではありえません。これがたまにですが起きるとしたら、タイト(VPIPが低い)で消極的なプレイヤー(「ネズミ」か「ロック」)で、が自分のハンドで勝ち続けた場合です。
  • 高いWTSDと低いW$SDを持つ場合 – これは割合普通で、特にローステークスでよくみられます。これに加えてVPIPも高い場合、このプレイヤーは下手(「魚」)だということを示していますし、VPIPが低い場合にはタイトパッシブなプレイヤーでプレミアムハンドを捲くらせないことに失敗しているといえます。
  • 低いWTSDと高いW$SDを持つ場合 – ここで取り上げた4つの組み合わせのうちで、最もよく見られるのがこれです。このプレイヤーはおそらく勝っていますが、降りすぎであって、オッズがあっているときでも、負けていると思ったらコールせずに降りてしまっている(特にリバーで)場合もあります。
  • 低いWTSDと低いW$SD – これは滅多にみられませんが、アグレッシブなプレイヤーが強いハンドをアグレッシブに(ハンドをショウダウンなしに終わらせ)、弱いハンドを弱く(チェックでまわして)プレイした場合に見られます。またこれを見ることで、仕掛けるブラフが弱い(特にリバーで)ためにコールされてしまうようなプレイヤーを見つけることが出来る場合があります。この仮説を裏付ける(あるいは否定する)にはリバーのみのアグレッション指数を合わせてみることが有効です。

 いま挙げた2つに加えて、フロップ後のプレイの読みに役立つような情報がもうひとつあります。W$WSD (フロップに参加したときの勝率) です。この統計が有効になるには、W$SDと同じくたくさんのハンド数が必要となるため、補完的なものとして言及するにとどめたいと思います。

Blind Steal %
 Blind Steal % (ブラインドスチール率)はプレイヤーがブラインドをスチール出来るチャンスに、どれぐらいの割合でそうするかという指標です。これまで述べた統計とは異なり、このパーセンテージはある限られた状況で限られた特定のアクションを取るか – 自分がプリフロップでボタンかカットオフのポジションで、前にだれもポットに参加していない場合にレイズするか – ということを表しています。これは6人テーブルで特に有効です。今述べた状況はフルリングのテーブルでは起こりにくいからです。
自分のブラインドを「守る」べきかどうか(これについては次のセクションでさらに述べます)以外に、前に少し触れたようにBlind Steal %はPFRと組み合わせることで、プレイヤーがポジションを意識してプレイしているのか、それとも単にハンドをプレイしているのかを推し量るよい基準となります。高いPFR %と低いSteal Blind %は後者であろうことを示しています。基本的に、この統計は、相手がレイトポジションからレイズしてきた場合に、どれぐらいリスペクトすべきかの指標となります。
うまいプレイヤーのBlind Steal %は少なくとも20%ぐらいはあるはずですが、これはスターティングハンドの上位20%ぐらいのハンドを持っていれば、ブラインドのプレイヤーがそれよりいいハンドを持っている可能性が低いということからきています。


Blind Defence %
 Blind Defence % (ブラインドディフェンス率)はビッグブラインドがスチールに対してディフェンス(レイトポジションのレイザーに対してコールかリレイズする)を行う割合です。この数値に関しては、あなたの左へ2つ先のプレイヤー以外には注意を払う必要はないと思います。このパーセンテージが低い時ほど、より頻繁にスチールを仕掛けるべきです。しかしながら、特にローステークスやフルリングのNLではこのパーセンテージは、ブラインドスチールそのものが少なく、リレイズはハンドがいい時しかしないため、低い傾向にあります。


Continuation Bet %
 Continuation Bet % (コンティニュエーションベット率 – 時にはPFR(Flop Bet)と表記されることもあります)はプリフロップでレイズした場合に、フロップでもベットする(フロップで誰かが先にベットしている場合を除く)割合です。これもまた、特定の状況におけるプレイヤーの傾向を読んで利用するための統計です。
 コンティニュエーション・ベットが高いプレイヤーは、プリフロップでレイズした場合エースハイやそれ以下でベットしてくるので、コールやレイズする価値があります。(ただし、PFR=プリフロップでのレイズ率が低いプレイヤーの場合は強い手をもっている可能性が高いので要注意です。)コンティニュエーションベット率が低いプレイヤーはハンドがある時にだけベットしてくる傾向にあるので、そのプレイヤーがパッシブなのかアグレッシブなのか、その他の統計(特にPFA WTSD)を見てみる価値があります。もし、後者なら、そのプレイヤーは、素直なプレイヤーで、手がある時にベットして、ないときにフォールドする傾向にあります。というのも、コンティニュエーション・ベットは(セミブラフと並んで)最もよく使われるタイプのブラフなため、この場面でブラフしないプレイヤーはそれ以外の場面でもしないだろうと考えられるからです。


Street-by-Street Statistics
(各ストリートでの統計)
 トラッキング・ソフトウェアとHUDで出てくる統計で、これまで触れていなかった統計があと2つあります。それは、フロップ、ターン、リバーでのCheck Raise %(チェックレイズ率)とフロップ、ターン、リバーでのFold %.(フォールド率)です。
Check-raise %は、真の値に収束するには少なくとも500ハンドは必要です。これはそのプレイヤーがどれぐらい「トリッキー」かを示しています。チェックレイズを全く行わないプレイヤーは、自分のゲームプレイの情報を漏らしていることになります、というのも、そのことは自分が最初にアクションを取る場合でチェックした時は、弱いということがほぼ確実だからです。それとは逆に、チェックレイズ率がどこかのストリートで2かそれ以上のプレイヤーは、あまりにトリッキーすぎて「鮮やかなプレイ症候群」(普通にバリューベットした方が儲かるのに、「賢い」プレイをしたがる)にかかっているのだと思われます。そのプレイヤーのその他の統計を見てみて、レイズされたらコールできないようなハンドでは、チェックに対してベットしないようにしましょう。
 Fold %(フォールド率)は理想の利用方法としては各ストリートでのアグレッション指数と組み合わせて、プレイヤーの各ストリートでの一般的な傾向を見つけることでしょう。これによってフロップに参加したプレイヤーが、その後各ストリートでフォールドする割合を見ることができます。これをVP$IPWTSDと組み合わせてみると、その相手にどれぐらいの確率でブラフを成功させられるかが見えてくるでしょう。