1から始めるポットリミットオマハ

 

 原著者(donkr.com)の許可取得済
 (Translated by courtesy of the author)


PLO from scratch(1からはじめるポットリミットオマハ) - Part 1

本シリーズはPLO(Pot Limit Omaha)初心者向けの教則シリーズですが、初心者以上のプレイヤーにも使えるトピックについても触れていく予定です。私たちの目標はPLOのプリフロップ、ポストフロップどちらでも勝てるしっかりとした基礎を学んでいくことです。

1. 序章

"PLO From Scratch(1から始めるPLO)"シリーズのパート1です。この記事はマイクロレートやローレートのノーリミット・ホールデムの経験のあり、なおかつPLOの経験が少しだけ、もしくは全くないプレイヤーがターゲットです。このシリーズでの私の目標はPLOの基礎的な戦略を、体系的に、順序立てて教授することです。

パート1では、まずはじめに、本シリーズの執筆に至る背景と、本シリーズの仕組みについてお話します。その後、市場にある(私の思う)一番のPLO教材の概要をお伝えします。最後に、本やビデオから学べる初歩的なPLO理論の勉強法をお伝えしてパート1の終わりとします。その後、パート2でPLOの戦略の話をしていきます。

2.この教本シリーズの背景

私がポーカーを始めた2005年の春頃は、リミットとノーリミットホールデムが主流のゲームで、平均的なプレイヤーのスキルは低い頃でした。リミットやノーリミットホールデムのローレートからミドルレートへ、そしてそれ以上のレートに上がるのに必要なのは人並みの思考力とひたむきな努力でした。

その二つを身に着けていれば、ローレートからミドルレートに数カ月ちょっとでのぼりつめ、十分な利益を出すことが可能でした。多くの勝ち組プレイヤーは必要なスキルと極めて”単純作業的”な戦略を学んでいきましたが、それ以上の努力は特にいりませんでした。

そんな時代は終わりを迎えようとしています。リミット、ノーリミットホールデムはオンラインポーカーの黄金時代(2003年から2006年頃)を期に、より厳しいゲームになってきています。これにはいくつかの理由がありますが、本、フォーラム、コーチングビデオなどの優秀な戦略が常識となり、多くの平均的なプレイヤーの上達が理由である事に疑いの余地はありません。

オンラインポーカーの世界には沢山の優秀なプレイヤーがいて、(2003年の)オンラインポーカーブームから6年の間に、彼らはプレイを重ね、分析をして、最適な戦略について議論を重ねていきました。彼らの取り組みがリミット、ノーリミットホールデムの急激な発展をもたらしたのです。現在では、数年前のミドルレート並の手堅いプレイヤーをローレートのテーブルで見かけることができます。もし1からのスタートでノーリミットホールデムのミドルレート、ハイレートまで上り詰めようとしたら、相当な努力が必要になります。

では現在のオンラインポーカーで、野心のあるプレイヤーはどうしたらよいでしょうか。これから始める人には、しっかりと継続してスキルを上達させていく意志が必要です。そうでないと、あなたの対戦相手がどんどん上達していくにつれて、利益を出しづらくなってしまいます。今プレイしているゲーム、そして今後学ぶ新しいゲームで、しっかりとしたゲームセレクションを行うことも重要です。

その選択すべきゲームがポットリミットオマハ(PLO)です。私にとって、長らくPLOは得体の知れない存在でした。PLOがどれだけ面白くて、利益になるかという話はよく聞いていましたが、私は2008年までPLOをプレイすることはなく、目先を変えるためにプレイしてみました。(その頃の私はホールデムで生計を立てていました)どうプレイすべきなのかという知識もあまりないままチップをまき散らしていましたが、徐々に感覚を掴んでいきました。平均的なプレイヤーが目に余るようなミスをしていることにも気づき、昔のホールデムを思い出させるような状況でした。

その発見がPLOをしっかりと学ぶモチベーションを上げてくれました。2009年の秋に、独学でしっかりとしたPLOの戦略を1から体系的に学ぶ決断をしました。それ以来、ポーカーの理論の執筆が好きになり、時を同じくしてDonkr’sのマイクロレートとローリミットプレイヤー向けに記事を書くことを決めました。

この教則シリーズでは、私がPLOを学んでいく間に築き上げた戦術とコンセプトについて書いていくつもりで、目標は初心者プレイヤー向けにPLOの理論的な構造を示していくことです。このシリーズが読者の皆さんがPLOを始めるきっかけとなって、スタート地点でPLO戦術を学ぶ手助けとなり、PLOをどのように考えるべきかの役に立てると幸いです。(ホールデムの考え方とは異なるといっていいでしょう)

3.このシリーズの方式

以前、リミットホールデムの記事 “Poker From Scratch”(1から始めるポーカー)シリーズを執筆し、リミットホールデムの基礎的な戦略について論じて、バンクロール拡張プロジェクト($0.25/0.50から$5/10に上り詰めて1000BBの利益を出すプロジェクト)を行いました。今回も同じ方式を取っていこうと思っています。まずはプリフロップ戦略とスターティングハンドの法則から始まり、ポストフロップのプレイの仕方に移っていきます。

それに加えて、(ポットリミットとノーリミットの)“big bet poker”の基本原則も今シリーズ全体を通してPLO戦略と共に共有していくことになります。PLOの戦略的原則の多くは(ポットリミットという)ベットの体系に注目したもので、(4枚のスターティングハンドから2枚を使い、ボードから3枚のカードを使わなくてはならないという)フロップゲームの特徴に注目したものではありません。どのルールのポーカーも、ベットの体系とゲームのタイプ(翻訳者注釈:フロップゲームなのか、ドローゲームなのか)の組み合わせであると考えると、適切であるとされる戦略が、なぜ適切なのかという理由が見えてきます。

このシリーズでもマイクロ/ローレートプロジェクトを行います。このプロジェクトを行うのはいくつかの理由があります。今シリーズは初心者向けに書かれたもので、つまり読者のほとんどが低いレートでプレイする訳です。私自身はマイクロレートのPLOをこなしていった経験はありませんので、私の述べる戦術が読者の皆さんのプレイするレートに適切であると保障しなくてはなりません。ですから、実際にこのレートをプレイして経験を重ねてみなければなりません

このプロジェクトは、ハンドや状況を議論するための情報源にもなります。最終的には、手堅く、トレーニングを受けたプレイヤーがマイクロ/ローレートで達成できる利益率を上手く行けば割り出せて、賢いバンクロールマネージメントで上のレートに上り詰めるまでにどれ程の時間がかかるかも見えてくるはずです。このシリーズがローレートのプレイヤーにとって、新しいゲームへのインスピレーションを沸かすものになるかも知れません。

では、どこから始めましょうか。私はこの教則シリーズ用のバンクロールとして250ドルから始めることにしました。殆どのマイクロレートのプレイヤーはこのぐらいの額のバンクロールで始めている印象を受けたからです。次のステップはバンクロール計画を建てる事で、私が名づけた"50+10"で行っていくと決めました。"50+10"が何かというと、50バイインから始めて(今回の場合は$5PLOから)今のレートでの50バイインに加えて、次のレートの10バイイン分のバンクロールが出来た時点で次のレートに移るというものです。

バンクロールが減ってしまった場合には、下のレートに戻ってやり直します。(次のレートの10バイイン分が確保できたら、もう一度次のレートで挑戦です)つまり、新しいレートでは10バイインを持って挑戦し、一つ前のレートの50バイイン分以下になってしまったらレートを落とすわけです。

次に考えるべきは、このプロジェクトをどこで終わらせるかです。野心家の私は、$200PLOでプレイできる位までバンクロールを増やすと決めました。つまり、このプロジェクトは$100PLOの50バイイン分($5000)プラス、$200PLOの10バイイン分($2000)が確保できた時点で終了です。言い換えるならば、バンクロールを$250から$7000にするということです。

このプロジェクトにはどれほどの時間(もしくはハンド数)が必要なのでしょうか。まずは、一つ上のレートに行くには最低でも何バイイン勝たなくてはならないか計算してみると…

$5PLOから$10PLO: 20バイイン($100)分勝つ。$10PLOに進むには、$5PLOの50バイイン+$10PLOの10バイイン=$350必要。
$10PLOから$25PLO: 40バイイン($400)分勝つ$25PLOに進むには、$10PLOの50バイイン+$25PLOの10バイイン=$750必要。
$25PLOから$50PLO: 40バイイ($1000)分勝つ。$50PLOに進むには、$25PLOの50バイイン+$50PLOの10バイイン=$1750必要。
$50PLOから$100PLO: 35バイイン($1750)分勝つ。$100PLOに進むには、$50PLOの50バイイン+$100PLOの10バイイン=$3500必要。
$100PLOから$200PLO: 35バイイン($3500)分勝つ。$200PLOに進むには、$100PLOの50バイイン+$200PLOの10バイイン=$7000必要。

レートを下げることなく順調に進めば、20+40+40+35+35=170バイイン勝たなくてはなりません。(勝手に決めた数字ですが)もし平均で7.5 ptBB/100(ptBB=2 x Big Blind)勝てるとすると、平均で1000ハンドあたり1.5バンクロールになります。つまり、最低でも170÷1.5×1000ハンド=113,000ハンドはプレイしなくてはなりません。

プロ意識が少しでもあるグラインダーには何てことありません。このような想定をたてただけで、この数字を真に受けないでください。それでも、おそらく現実離れしたような数字ではないはずです。

(ところで、もしかしたらまだ言ってなかったかも知れませんが、私たちがプレイするのは、6マックスです。繰り返しになりますが、フルリングではありません)

4.PLO向けの教材とツール

最近までPLOに関する情報は、本でも、コーチングの市場でも、多くはありませんでした。しかし、ここ数年で良書がいくつか出版されて、殆どのコーチングサイトでクオリティーの高いPLOのビデオが出てきています。

このセクションでは、(私の思う)最良のPLO教則本、ビデオとツールについてお話します。それに加えて、PLOの理論やコンセプトをしっかりと学んでいきたい人が、どのように学んでいけばよいかについても触れていきます。

4.1 PLO教則本
現在市場にあるなかで(私の思う)最良のPLO文献のレビューをしていきます。

Pot-Limit Omaha Poker - The Big Play Strategy (Hwang 2008)
私の知る限り、この本が出版された年が良書のPLO文献が出た最初の年です。この本ではフルリングでの戦略について語っており、メインテーマはディープスタックでプレイしてプロフィットの出る状況を作り出すことです。そのためには、スターティングハンドの構造を理解する必要があり、その点についてこの本はよく書かれていると思います。

フルリングであれ、ショートハンドであれ、何をもって良いスターティングハンドと言えるかを理解しなくてはなりません。また、どんなハンドが大きなポットを取るのに適しているのか、どんなハンドが小さなポットを 取るのにより相応しいのかも理解しなくてはなりません。

Hwangの書いたPLOスターティングハンドに関する記述は出版物としては現時点で最も徹底したものです。彼はスターティングハンドを種類別、強さ別で分類しました。また、弱いハンドで参加することの構造的欠陥、弱いハンドがもたらす結果についても徹底的に解説されています。

フルリングのディープスタックで、有利な立場で大きなポットに参加することがHwangの主なゲームプランで、それ故にスターティングハンドの強さについて、そしてスターティングハンドとポストフロップシナリオの関連性についての記述に多くのページを割いています。

私たちは6マックスをプレイしていくわけですが、Hwangのスターティングハンドについての記述は私たちにとっても極めて有益な情報です。なぜなら6マックスをプレイする私たちも、大きくなったポットに良しとされるハンド同士で相手とぶつかる“ビッグプレイ”をすることになるからです。

次にポットリミットオマハのポストフロップにおけるABCポーカーとは何かをHwangは語っています。ちゃんとしたハンドを持ってプレイするのは勿論ですが、それ以外に小さなポットでもしっかりとしたスキルが必要で、Hwangは小さいポットと大きなポットのポストフロップシナリオについても述べています。

Advanced Pot-Limit Omaha - Volume 1: Small Ball and Short-Handed Play (Hwang 2009)
この本は「Pot-Limit Omaha Poker - The Big Play Strategy」の続編で、3冊からなるadvanced pot-limit Omahaシリーズの第一弾です。「Pot-Limit Omaha Poker - The Big Play Strategy」で述べた法則を読者が理解していると想定した上で、その先に突き進んでいます。この本のメインテーマはポジションの活用です。ディスカッションとハンド例を元に、ポジションの有効活用が新たな利益獲得のチャンスにつながるかをこの本の中で明らかにしています。このアイディアを使うと、スターティングハンドの条件を(時には大胆に)広げる事ができます。

一冊目の"The Big Play Strategy"が私たちの戦略の軸ですが、ポジションの有効活用を学ぶことで、誰もが大したハンドを持ってないような小さなポットを獲得するチャンスが増えます。(ヘッズアップや、ショートハンドのポットではこのようなチャンスが頻繁にあるのです)Hwangはこれを“スモールボール”と呼び、ショートハンドをプレイする時に彼は好んでこの戦略を使っています。

Secrets of Professional Pot-Limit Omaha (Slotboom 2006)
フルリングプレイヤーをターゲットにした本で、ショートスタックの法則を学ぶための本です。(私たちの考えでは、ショートスタックは鬱陶しい以外の何物でもありませんが、決して利益が出ないわけではないのです)ショートスタックとディープスタックの両方で、フルリングPLOの持論の戦略を(時には型にはまらないような戦略も含めて)詳細に述べています。Hwangと違って完全なゲームプランを述べてはいませんが、彼がPLOをどのように見ているかを説明していて、読者にとって考えるさせられるトピックがたくさんあるはずです。(少なくとも私にはありました)

Secrets of Short-Handed Pot-Limit Omaha (Slotboom/Hollink 2009)
Hwang同様、ショートハンドPLOの本をフルリングの本の続編として出しました。構成は一作目と同様で、つまり彼独自の戦略が述べられていて、どのように、そして何故彼の戦略がうまく働くのかを説明しています。(フルリングのテーブルが彼の本を読んだショートスタッカーでいっぱいになってしまったという理由もあって)フルリングからショートハンドに移行することになった経緯を説明し、どのようにショートハンドに戦略を適合させていったかについて述べています。

最後の3分の1は共著者のRob Hollink(有名なハイレートプレイヤー)による記述です。実際に$25/$50から$200/$400でプレイした33ハンドを本人が分析しています。オンラインで名の通ってるdurrrr、Urindanger、OMGClayAikenなどがハンド例に登場します。

How Good is Your Pot-Limit Omaha? (Reuben 2003)
この本にはライブで実際にプレイした貴重な57ハンドがテスト形式で載っています。Stewat Reubenはとてもルース・アグレッシブなプレイヤーで、スターティングハンドなどに関してはとても緩いプレイヤーです。ディープスタックのライブゲームに長けているので、このルース・アグレッシブなスタイルは彼に合っています。ただ、100BBバイインの現在のオンラインゲームで彼のスタイルを真似するのは自殺行為です。

この本は彼のスタイルを真似する為に読むのではなく、PLOの思考プロセスを鍛えるために読む本です。それぞれの問題を真剣に取り組んで解答して、答え合わせをしていくと良いでしょう。それぞれの問題に点数がついています。彼が進める戦略に関する説明はとてもよくできています。

優秀なプレイヤーの思考プロセスと自分のとを比較することで多くを学ぶことができます。自分のプレイの矛盾を見つけることもあるでしょうし、今までに気にしなかった事にも注意を払えるようになるでしょう。

4.2 PLO videos
現在市場にある中で私が気に入っているコーチングビデオをここでご紹介します。特定のコーチからどれだけ学べるかは、個人差があるということに注意して下さい。コーチによってプレイスタイルも教え方も異なりますし、私にとって一番学べたコーチがあなたにとっての一番とは限りません。そのように言及した上で、いくつかの異なるコーチングサイトからクオリティーの高いビデオをご紹介します。

Deucescracked.com
- The video series2 X 6(Vanessa Selbst & Whitelime)
PLOスペシャリストのVanessa Selbst(WSOPのPLOブレスレット保持者)がNLHEスペシャリストのWhitelimeにPLOの移行の手伝いをする形式で、8つのパートで構成された入門シリーズです。Whitelimeは実に的を得た質問をしていて、ためになるトピックが沢山出てきます。

- The video series PLO (Whitelime & Phil Galfond)
Whitelimeは8パートからなる新シリーズでもPLOの勉強を続けています。今回は他でもないPhil Galfondが参加しています。あなたもPhil GalfondのPLOのコンセプトの説明を聞けば、なるほどと思うはずです。

Cardrunners.com

  1. Stingerによる動画全て(19本)
  2. lefty2506による動画全て(11本)

StingerはPLOの神で、それ以外の何物でもありません。彼は自分の思考過程を説明することにも長けています。Stingerのアプローチはもっとも数学的であるとは言えませんが、それゆえに彼の説明は理解しやすいのです。彼は土台のしっかりしたポーカーの理論とリーディング能力を全般的に使っているので、誰でも理解しやすいわけです。

Stingerはかなりルースなプリフロップスタイルを用いていることに注意して下さい。彼のような能力のもったプレイヤーには問題ないのですが、初心者には向いていません。なので、Stingerの真似はしてはいけませんが、彼の決意に至るまでの思考過程は必見です。

lefty2506はとても説明のうまい堅実なタイトアグレッシブ(TAG)プレイヤーです。優れたTAGプレイを見ているとポーカーがシンプルなものに見えてきます。(実のところ、手堅いポーカーをプレイしているときは、大抵シンプルなものです)

Pokersavvy.com

  1. LearnedFromTVによる動画全て(16本)

LearnedFromTVは細かい分析をするアプローチをするプレイヤーで、理論の説明をすることに長けています。”#16: PLO Fundamentals - Part 1andLearnedFromTV”と” #18: PLO Fundamentals - Part 2”から見始めることをお勧めします。(上記の2本が彼の初作ではない事に注意して下さい)

この2つのビデオではもっとも重要なPLOの法則について説明しています。彼のセッションビデオもクオリティーが高く、プレイをしながらの説明も分かりやすいです。

4.3 ポーカーツール
必要なのは以下の二つです。

  1. Omaha Manager

Omaha ManagerはHoldem Managerのオマハバージョンで、この原稿を書いてる時点でライセンスを80ドルで購入できます。(あるいは、50PLOまで対応するスモールレート用を買うこともできます)このプログラム自体がPLOトラッキングソフトの基準となり、もしトラッカーを使うなら(使うべきだと思います)、このプログラムを使いましょう。

オンラインポーカーでのトラッカーの使用は、読者の皆さんにとっておなじみだとは思いますが、後々トラッカーについての記事も予定しています。

  1. ProPokerTools Omaha Simulator

ProPokerTools Omaha Simulatorは特定のハンドのみならず、ハンドレンジに対してもエクイティーを計算できます。ワイルドカードも使えます。(例えばAA持ちの全てのハンドで計算したければAA**と入力します)

このツールは異なるハンドタイプの、それぞれのシナリオでのエクイティーを理解するうえでは欠かせません。このツールの有効な使い方は、それぞれのセッションの重要なハンドを分析していくことです。例えば、自分でプレイしたビッグポット(自分がオールインしたポットを全て見てみるとか)のエクイティーを計算できます。

一例
$5PLO(ブラインドが$0.02/$0.05)をプレイしています。UTG(スタック$5)が$0.17にポットレイズして、あなた(スタック$5)は9876を持って、ボタンから$0.40(ポットより少し少ない額)に3ベットし、ブラインドの二人がフォールド。UTGが$1.27にポット4ベット、そしてあなたがコール。(UTGの彼が4ベットする時には、ほぼ常にAAxx持っているだろうとあなたは想定しています)

フロップ:3 T 6 (ポット$2.61)
UTG(スタック$3.73)が$2.61をベット、あなた(スタック$3.73)はレイズオールイン。UTGは(あなたの予想通り)A A K 2を持ってコール。

ターン:3 T 6 K (ポット$10.7)
リバー:3 T 6 K 4 (ポット$2.61)

UTGがAのワンペアで勝ちました。相手がAAを持ったと予想した上でのあなたのフロップレイズが正しかったのか気になるところです。

UTGのレイザーとヘッズアップに持ち越すため、あなたはインポジションでプレミアム・ダブルスーテッド・ランダウンを持って3ベットすることを選択。相手はレイズできる最高額で4ベット。相手にAAxxが入っていると想像しながら、あなたはコール。AAxxに対して、十分なエクイティーのあるフロップが出たら、彼の(おそらく打ってくるであろう)フロップ・コンティニュエーションベットにオールインで返す気でいます。フロップでは、ロー・ワンペア+インサイド・ラップ+バックドア・フラッシュドローがあり、プラン通りレイズ・オールインをしました。

ここで、対AAxxのフロップ・エクイティーの計算にProPokerToolsが使えます。

このフロップならAAxxに対してほぼコインフリップで、$2.61のポットに残りスタックが$3.73ですから、コミットしています。よって、ここはオールインです。これが何を意味するかというと、$2.61 + 2 x $3.73 =$10.07(プリフロップポット+お互いの残りスタック)を勝ち取るために$3.73の投資をするということで、47.45%のエクイティーが私たちにはあるので、フロップでオールインするときのEVは:

EV =0.4745 x ($10.07) - $3.73 = +$1.05

オールインすることで$1.05のEVが得られました。これはフォールド(EV =$0)するよりいいわけで、レイズ・オールインの方が得です。

5.スタディープラン
以下、PLOの基本戦略を研究したい人向けの「PLOカリキュラム」の提案です。

(1) Pot-Limit Omaha Poker - The Big Play Strategy (Hwang 2008)を学ぶ

(最後のチャプター2つはオマハ・ハイローについてなので、飛ばしていいです)

チャプター4(スターティングハンドとプリフロップ・プレイ)を徹底的に勉強すること。Hwangはまず、スターティングハンドをタイプ別に分けました

  1. ビッグカードとブロードウェイ・ラップ
  2. ストレートハンド
  3. スーテッドAハンド
  4. ペアプラス・ハンド
  5. AAハンド
  6. マージナルハンド

 

次に、クオリティー(強さ)に応じて分類しました。

  1. プレミアム
  2. 投機的なハンド
  3. マージナル(中間的なハンド)
  4. クズ手

 

この二つの分類の概要、それに当てはまるハンドを頭に叩き込んでいきます。すると、スターティングハンドの強さを見極める枠組みができて、なおかつそれぞれのスターティングハンドに合ったアプローチへの理解が深まります。

例えば、AKQ9が配られると、このハンドを「Aハイブロードウェイラップ」であると分類して、どのポジションからでもレイズできるプレミアムハンドであることが分かります。しかし、このハンドがAKQ2だと「スーテッドのAハンド」となり、カテゴリーとしては「マージナル」、そしてポジションを選ぶハンドであると分かります。

注意してほしいのは、私たちはこの分類法を頼りにプリフロップの概要を組み立てようとしているのではない、ということです。配られたハンドのクオリティーとプレイできるかどうかの判断の手助けになる「補助輪」が欲しい、ということです。

それから、この本を読み終えるまでには必ず、ポストフロッププレイのABC原則を理解するよう にしてください。とりわけ、ポットが大きい状況と小さい状況との違いをよく理解するようにしてください。

(2) Deucescracked.comで、The video series2 X 6 (Vanessa Selbst & Whitelime)を学ぶ

Vanessa Selbstは根本的にタイトで堅実なプレイをしていて、トラブルになりやすいハンドと状況を教えてくれます。このアプローチは、(1)の本と似ていて、(1)で学んだ法則が6マックス・ゲームにどう応用できるかを学ぶいい機会となるでしょう。

(3) たくさんプレイすること

この時点でPLO戦略の基礎を学び終えていて(うまくいけば消化しきれていて)、次のステップはその戦略を実践していくことです。テーブルについて学んできたことを試してみましょう。判断に困ったり、大きなミスをしてしまうことも多々あるでしょう。でも大丈夫です。なぜなら、あなたのゲームの漏れを排除し、学んでいく良い機会になるからです。

セッションの終わりに、セッションを振り返って復習する習慣をつけましょう。いくつかのハンドをピックアップして、系統的に分析してみましょう。(エクイティーを理解するトレーニングにProPokerToolsをつかいましょう)。関連する戦略的なコンセプトを通して考えてみましょう。必要ならこれまで学んだ本やビデオ に立ち返って、戦いの最中に浮かんだ考えがかつて学んだ内容にどれくらい匹敵するものだったを 確かめてみましょう。

間違って理解していたり、何かを忘れていたり、見過ごしていたりしませんでしたか?その状況にそぐわないコンセプトを使っていませんでしたか?もしそうであったとしたら、その間違いを正しましょう。そうすることで、将来同じミスをしないようになります。

(4) Advanced Pot-Limit Omaha - Volume 1: Small Ball and Short-Handed Play (Hwang)を学ぶ

この本は分厚く、どちらかというと上級者向けの本なので、この本に書かれた戦略を学ぶには時間をかける必要があるでしょう。プリフロップ、ポストフロップともに基本的な戦略を使いこなせるようになったら、この本を読み始めてスキルを上達させていくべきでしょう。後々、この教則シリーズでも、大体的にこの本のコンセプトを元にPLO戦略を練っていく事になります。Hwangのスモールボール戦略は特に関心を持っておきたいところです。

(5)時間のある限りビデオを見て勉強し、できるだけ多くのハンドをプレイすること

とにかく、プレイ、プレイ、プレイ。そして教則ビデオから新しいアイディアを見つけ出しましょう。コーチが何か興味深いことをしていたら、ノートを取って、自分でもちゃんと把握できているか確認してみましょう。その作業を行うことで、新しいコンセプトを自分のゲームに取り入れやすくなります。

6.まとめ
シリーズ"PLO From Scratch"をこれからどんな風に進めていくか、そしてその背景、学習教材とツールについてお話しました。加えて、入門編PLO学習の簡単なカリキュラムも組んでみました。

パート2では、私たち独自のPLO戦略の構築がスタートします。基礎的なPLOの法則から始まり、スターティングハンドの選択、プリフロップ・プレイに関する法則に焦点を当てていきます。

グッドラック!
Bugs




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