プリフロップレイズサイズ

 


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マイクロNL 今週のコンセプト

 

プリフロップレイズサイズ

ポーカーで熱く議論されることのひとつが、プリフロップでのオープンレイズのサイズ。すなわち、あなたが最初にポットに参加する場合、ベット額はどれだけ大きい必要があるか、ということ。ここでは僕の個人的な見解を提示したい。リミットが上がると、常連のオープンレイズサイズは、全てのポジションから、ビッグブラインドの3倍もしくは4倍の2つが定番だ。この2つのベットサイズのそれぞれの利点を比較してみよう。

ルーズパッシブプレイヤーからのバリュー搾取は、ベッティングラウンド毎に大きくベット(ポットサイズ)することで実現する。もちろん教科書通りのベット/ベット/オールインの流れだ。まずは、オープンレイズがビッグブラインドの3倍と4倍の場合で、このわずか1bbの差がその後のポット成長幅にどう影響するかを見つつ比較してみよう。両方のケースとも、相手はBBにいるルーズパッシブなフィッシュで、AQT53のフラッシュ目のないボードでこちらのAKoに対してA2oでコール/コールするプレイヤー、双方のスタックは100bbだとしよう。

3倍でスタートした場合
プリフロップ:3xにレイズ、フィッシュコール、ポットは6bb
フロップ:ポットベット(6bb、SBは無視)、フィッシュコール、ポットは18bb
ターン:ポットベット(1bb)、フィッシュコール、ポットは54BB
さてリバーでは、双方とも残り73bbであり、ここではオールインは相当なオーバーベットになってしまい、相手がさすがにフォールドしてしまう可能性があり出来ないので、60bb程をベット、フィッシュは食いつき、結果87bb - レーキの利益だ。

4倍でオープンレイズした場合
にはしかし、はこんな素敵なことが起こる:
プリフロップ:4xにレイズ、フィッシュコール、ポットは8bb
フロップ:ポットベット(88bb)、フィッシュコール、ポットは24bb
ターン:ポットベット(24bb)、フィッシュコール、ポットは72bb
今回は、リバーでのスタック残は64bbであり、ここではオーバーベットにならずにオールインを容易に選択出来、問題なくコールしてもらえる。

つまりここまで見て来た中では、4bbこそが選ぶ道のようであり、あなたのテーブルがルーズパッシブでフィッシュに溢れており誰も3ベットしないのであれば、それで正しい。したがって、マイクロステークスでの、私見では25NL以下、ではビッグブラインドの4倍でのオープンレイズが正解となる。しかしながら、リミットが上がる毎に、プレイヤーはよりライトに(広いハンドレンジで)3ベットするようになり、あなたはプリフロップでレイズしたハンドをいくつかフォールドする羽目になる。しかもレイズ=ナッツではなくなる。したがって、3倍を選択した方が良いということになる(少なくとも私見では)。そうすることによって、引き続きポットの幾何学的増加の性質を利用しフィッシュ相手に大きなポットをプレイしつつ(その機会は少し減るが)、コンティニュエーションベット(Cベット)が失敗する可能性の高い常連相手に大きなCベットをしなくてもよいことになる。また、フォールドの機会が増えることによるバンクロールの損失を最小限に抑えることが出来る。しかし、ポーカーはあらゆることが流動的であるから、ときには「調整」が必要だ。もし誰かが25NLであなたに対し3ベットライトをし出したら、オープンレイズサイズを下げるか、もっと良い選択はテーブルを去ることだ。

メモ:自分の今のリミットである100NLでは、何人かの勝ち組の常連は4倍でオープンするが、95%前後が3倍でオープンしている。

スチールのレイズサイズ
プリフロップのオープンレイズサイズについて最後に説明すべきはスチールである。僕がボタンからスチールするときは、どんなカードでもミニマムレイズする。ボタンという最高のポジションにいるときは、そのアドバンテージを利用し、ポストフロップでもプレイの主導権を握りたい。さらに、それがたかが2bbであるために、よりフィッシュ度の高い相手は、ハンパなく広い範囲でコールしがちだ。個人的には自分は相手に読まれないようAAから72oまで何でもミニマムレイズする。それは自分の場合ブラインドにショートスタッカーがいるか、常連がいることが多く、広いレンジで3ベットされたり、オールインされたりするからだ。しかしテーブルにフィッシュしないないのなら、AAはたっぷりレイズし、72oは迷わず捨てればいい。上で述べたように、全てには「調整」が必要だ。フィッシュに対してポジションがない限り、左にショートスタッカーが2人いたらテーブルを去るべきだ。スチールを2bbにすべき最終かつ最大の理由:2bbでオープンした場合、1.5を勝ち取るために2のリスクを取ることになり、スチールが57%成功すれば良い計算だ。それだけだ。実践してもらえれば、すぐに利益を出せるはずだ。

オープンレイズについて最後に説明するポジションはスモールボラインドだ。ビッグブラインドに対してポジションがないという理由から、3bbにレイズしBBにあまりにも広いレンジでのコールを躊躇させることをおススメする。さもないとプレイが非常に難しくなる。そのためにはオープンフォールドしビッグブラインドを逃しても悔やむことはない。

 

アイソレーション
アイソレーションする際のサイズを決める前に、リンパーたちのスタックサイズに注目してほしい。彼らのスタックが小さければ(35bbなど)、4や5bbではなく、3bbでアイソレートするべきだろう。理由は、もしあなたがうまくヒットした場合でも、ベッティングラウンド2回分だけで相手のスタックを回収出来る。そして、相手があなたのCベットをコールし、ターンでポットベットするなり、Cベットにオールインリレイズするなり、先にドンクベットを仕掛けて勝ち逃げするなりしてあなたが負けた場合でも、失う額が少なくて済む(言うまでもなく、Cベットもポットの1/2くらいに小さく打った方がいいだろう)。どのようなハンドレンジでアイソレートすべきかは、相手のスタイルやスタックサイズ、さらには自分自身がトップペア・ノーキッカーやミドルペア・グッドキッカーといったハンドを上手くプレイ出来るかにもよる。たいていは、スタックの大きい相手にはブロードウェイカード(Broadway Card、A〜T)2枚、スーテッドコネクター全般、スーテッドワンギャッパー(97sなど)、小さいスタック相手にはブロードウェイカード2枚がいいだろう。

 

3ベット、4ベット、コールド4ベット、スクイズ
さて、ここではあなたはオープンレイザーではない。一人以上の誰かが自分のハンドを気に入って金を投資して来た。そこであなたは自分のハンドを見て、それが弱いと判断するか、上記のいずれかを試すと判断する。3ベット、4ベット、コールド4ベット(cold 4 bet、Aがベット、Bがレイズした後で、別のCがさらにレイズすること)、スクイズ(squeeze)を、ライトにしろバリューのためにしろ仕掛ける前に頭に入れるべきことは:

1. 頭のいい常連相手には、バリューレイズとブラフレイズを同じサイズになければ、簡単に読まれてしまう。そんなことを気にしないフィッシュ相手には、レイズ額を適宜調整していい。

2. ポイントは、ブラフをする際は成功しうる最小の額を、バリューのためならコールされうる最大の額をレイズすることだ。

3. こういった大きなポットをマルチウェイではプレイしたくないから、標準の3倍よりも大きな額でスクイズするべきだ(レイザーがひとり、コーラーが2人いたら、自分なら9や10倍ではなく、15〜18倍にスクイズする)。一方3ベットの標準は、ポジションがある場合は2.5か3倍、ポジションがない場合は3.5か4倍。

4. ポジションがない場合3ベットのサイズは大きくしたい。これはそうしないとポストフロップをプレイしにくくなるからだ。強いハンドを持っていたら少し大きめにベットするくらいなら、シンプルにオールインしてもいい。

5. もしプリフロップでスタックの1/3以上を投資しているなら、どんな2カードでも全スタックを投資しなければならなくなる。したがって、自分はどんなときでも4ベットを自分のスタックの25%に押さえるようにしている。

6. 上のいずれかを試す場合は、自分のレンジをポラライズ(ブラフかバリューか)したい。

ショートスタッカーについて
もし20bbしかないショートスタッカーが3にレイズし、自分が12に3ベット、フィッシュと常連にコールされ、先ほどのショートスタッカーまでフォールド、そのショートスタッカーがオールインした場合、自分にはレイズの選択肢はなくコールしか出来ない。ルール:ひとつ前のレイズより小さい額のオールインが来たら(このケースでは9bbの後に8bb)、それ以上のレイズをしてはならない。これは覚えてほしい!上の例でいうと、いずれにしろショートスタッカーがコールすることが分かっているのだから、10ないし11BBにレイズした方が良い。そうすることによって、フロップがマルチウェイになることを避けられるので、リレイズでポットにおけるスタック比率を下げながらサイドポットを手に入れるか、プリフロップの時点でオールインしたい。

 

Vanguard著
http://forumserver.twoplustwo.com/78/micro-stakes-full-ring/cotw-preflop-raise-sizing-574867/