3ベッティングライト

 

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3ベッテイングライト

 

3ベッティングライトとは
まずは、そもそも3ベットとは何かを明確にしよう。ここではプリフロップのアクションを説明するときに使う(ポストフロップでも使うが)用語。基本的には単にリレイズのこと。例えば、アンダーザガン(UTG)が4BBにレイズして左隣(UTG+1)の僕が12BBにリレイズしたら、これが3ベットだ。

さて、では「ライト」(light)とは?初級から中級者のプレイヤーのほとんどは、プリフロップでは非常に強いハンドでしかリレイズ(3ベット)しないだろう。だいたいQQ以上のペアとAKだけ。3ベッティングライトとは、このリレイズのレンジをさらにAQや66、78sらにまで広げることだ。

 

3ベットライトする理由
理由はいくつかある。主な理由は2つで、まずイメージ/シャナイア*/メタゲーム(はやりの戦術)的な理由、そしてコンティニュエーションベット(以下Cベット)が大金をもたらすから!
*訳注:Shania。有名なカントリー歌手シャナイア・トゥエインにちなんで、「イメージを作り上げて長期的に儲ける」戦略を広くさす、らしい。

まずイメージ戦略だが、例えばコンボドロー(combo draw。アウツが12以上ある強いドロー。ストレートとフラッシュのドローなど)でアグレッシブにプレイすることは、その後のハンドでセット(3カード)が成立したときに同じようにプレイしても警戒されないという理由で、皆が高く評価するだろう。でも、残念ながら、これはいわゆるナッツのプレイの仕方で、優れたプレイヤーはあなたが何をやっていたかを完全に把握しており、そのことを以後気にも留めないだろう。そして下手なプレイヤーはどうせトップペア以上を持っていたらフォールドしない。そもそも、ほとんどの人はセットが揃った場合に、非常に早くから攻めるのをやはりためらうものだ。

しかし、3ベットライトは、対戦相手のあなたへの印象を本当に、ホントウに変えてしまう。プリフロップで3ベットし79sでショーダウンしたら、マニアックプレイヤーだと思われるだろう。しかし、それでも相手はどう対応していいか分からないのだ。彼らはあなたのベットをもっと軽く(ライトに)コールするようになる(つまりもちろんベットの頻度は調整しなければならない)。

さて、Cベット=大金の話に移ろう。あなたが普段プリフロップをレイズしフロップをCベットした場合、あなたはボトムペアやガットショットの相手に、なんだかんだで要はAKだろ?と思われている。しかしリレイズされたポットでは、ことは違う。他のプレイヤーはあなたをAAだと思い込む。だから彼らはインプライドオッズが成立すると思い、プリフロップで78sやら22をコールする。しかしフロップでセットや2ペアなどが成立しない限り、チェック/フォールドする羽目になる。

 

リレイズしたポットでコンティニュエーションベットする場合の注意
通常のポットと同じようにベットをしてはいけない!リレイズ後のポットでのCベット額はポットの1/2から2/3の間であるべきで、それ以上ベットしてはならない。その理由は、

  1. あなたは3ベットライトをしているのだから何も揃っていない場合が多く、ショウダウンまで持って行く頻度を減らすことが出来る
  2. 非常にいいハンドが揃った場合でも、ポット/スタックのサイズ比率からいって、そんなに多くの額を掛けなくても容易にオールインに持ち込むことが出来る。

 

3ベットライトする相手、ハンド、ポジション
3ベットライトにおいては相手を読むことが何よりも重要だ。まずは相手がどれだけ「ライト」にレイズするかを知る必要がある。レイズした相手が11/3(ゲーム参加率=VPIP:11%/プリフロップレイズ率=PFR:3%、以下同様)もしくは60/5のタイプであれば、3ベットする意味はない。獲物は30/20タイプや、22/17のタイトアグレッシブである。70/50のプレイヤーはあまりにもライトにレイズするが、同時にレイズもライトにコールし過ぎ、Cベットにもフォールドしないので、3ベットライトする相手としては相応しくない。

さらに、その相手が3ベットをコールするハンドのレンジや、コールした場合のポストフロップのプレイの仕方も読みたい。もしプリフロップではよくコールし、逆にポストフロップでは仕掛けるか降りるかのタイプなら、積極的に3ベットを仕掛けたい。もし相手が4ベットライトしフロップでチェックレイズのブラフをかなりの頻度でかますタイプなら、3ベットライトを仕掛けてはならない。

これらは常識的なことだが、とっても重要なのだ。

3ベットすべきハンドは「実際に」大きなポットを勝ち取れるハンド、すなわち78sや33など。ショーダウンまで行く価値のあるAQやKQsもそう。

ポジションもかなり重要だ。人はUTGよりもボタンの方がよりルーズにレイズすることを頭に入れなければならない。また、ポジションがあればポットコントロールなどのために、フロップでチェックすることも出来る。

 

その他
3ベッティングライトのキーポイントの一つは、リレイズの入ったポットをうまくプレイすること。これには読みが必要だし、ポットコントロールを理解し、自分のイメージをよく把握することが重要だ。まずはとにかく実戦でうまく行くまで練習することをお薦めする。少し怖いなら、レベル(レート)を一つ下げてもいい。

ここは本来参考用にハンドをポストするべきなのだが、3ベッティングライトの真骨頂は、全ての相手がプリフロップでフォールドするか、フロップのCベットでフォールドし、利益を生み出すことなので、それらのハンドをポストする意味はあまりない。代わりに、3ベットライトをしたが「為に」勝てたハンドをいくつか紹介しよう。

この相手は23/16のタイトアグレッシブで、僕がそれまでさんざん3ベットライトを仕掛け続け、ついにティルトに追い込んだ:

フルティルトポーカー
ノーリミットホールデム・リングゲーム
ブラインド:$1/$2
プレイヤー数:6

スタックサイズ:
UTG: $214.90
UTG+1: $142
CO: $218.55
Button: $343.10
SB: $147
Hero: $484.30

プリフロップ:(プレイヤー数:6)Heroはビッグブラインド(BB)、ハンドはT J
UTGコール、2人フォールド、Button $9にレイズ、SBコール、Hero$38にレイズ、2人フォールド、SBコール。

フロップ:5 T 8(ポット:$87、プレイヤー数:2)
SBチェック、Hero $109ベットSB $109オールインコール

ターン:2(ポット:$305)

リバー:K(ポット:$305)

結果:
最終ポット:$305
SBは98をショウ
HeroはTJをショウ

この相手のプリフロップのコールのひどさを見て欲しい。仮に僕がビッグハンドを持っていたら彼は負けるし、悪めのハンドであっても、フロップでは僕が優勢であり、彼がフロップで何もヒットしなければ(彼は1/3しかヒットしない)、僕のCベットにフォールドすることになる。

 

以下のハンドもまた22/16タイプのタイトアグレッシブが相手。しかも2+2の常連らしい。これはリレイズ後のポットでのひどいプレイの典型的な例。僕はここでAAを持っている訳だが、もしそれまで僕がずっと56sや22やらをリレイズしていなければ、彼はこのハンドを同じようにはプレイしなかったと思う。

フルティルトポーカー
ノーリミットホールデム・リングゲーム
ブラインド:$1/$2
プレイヤー数:5

スタックサイズ:
UTG: $42
CO: $254.90
Button: $59.10
SB: $198
Hero: $201.70

プリフロップ:(プレイヤー数:5)HeroはBB、ハンドはA A
3人フォールド、SB$6にレイズHero $18にレイズ、SBコール

フロップ:T 4 7(ポット:$36、プレイヤー数:2)
SBチェック、Hero$25ベット、SBコール

ターン:6(ポット:$86、プレイヤー数:2)
SBチェック、Hero$65ベット、SBコール

リバー:2(ポット:$216、プレイヤー数:2)
SBチェック、Hero$93.7オールインSB$90オールインコール
アンコールドベット: Heroに$3.7返金

結果:
最終ポット:$399.7
HeroはA Aをショウ
SBはJ Tをマック

 

Dan Bital著
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